チェルシーが、ブライトンに所属するアルゼンチン代表MFファクンド・ブオナノッテの獲得に迫っているようだ。29日、イギリスメディア『BBC』や同『スカイスポーツ』、同『アスレティック』などが伝えている。


 今夏の移籍市場でブラジル代表FWジョアン・ペドロや同代表FWエステヴァン、U-21イングランド代表FWリアム・デラップら8選手が新加入したチェルシーでは、獲得が決定的になっているアルゼンチン代表FWアレハンドロ・ガルナチョに加えて、オランダ代表MFシャビ・シモンズの獲得を狙っていることが明らかになっていた。

 しかし、財務規則違反に対する罰則の一環として、今夏の移籍市場を黒字で終えることがUEFA(欧州サッカー連盟)から求められているチェルシーは、個人合意に達していたX・シモンズの獲得でライプツィヒと移籍金で合意に達することができず、同選手はトッテナム・ホットスパーへの加入が決定した。

 これに伴い、移籍市場が閉幕する前に加わるのはガルナチョのみと目されていたなか、チェルシーはブライトンからブオナノッテを獲得する案が急浮上している。

 報道によると、すでにチェルシーはブライトンと合意に達しており、ブオナノッテの加入は決定的になっているという。なお、移籍形態はブライトンが完全放出を望まず、イングランドのクラブにレンタル移籍させることを望んでいたため、買い取りオプションや義務などの条項が付随しない1年間のレンタル移籍になると見られている。

 また、移籍市場に精通するイタリア人記者のファブリツィオ・ロマーノ氏によると、買い取りオプションなどが付随しない代わりにチェルシーは交渉優先権を手にした模様で、来夏にブオナノッテの移籍で他のクラブとブライトンが合意した場合に、チェルシーは連絡を受け、その金額で同選手を獲得するチャンスが得られることにもなったようだ。

 さらに、イギリスメディア『GIVEMESPORT』などでジャーナリストを務めるベン・ジェイコブス氏によると、28日には日本代表MF田中碧も所属するリーズへの移籍でブライトンと合意に達していたものの、チェルシーがハイジャックする形で取引をまとめたことも伝えられている。

 2004年12月23日生まれで現在20歳のブオナノッテは、2023年1月にアルゼンチンのロサリオ・セントラルからブライトンへ移籍。2023-24シーズンは公式戦36試合に出場していたが、途中出場の試合も多くあったため、さらなる出場機会を求めてブライトンとの契約を2028年6月30日まで延長すると同時に、昨年8月にレスターにレンタル移籍を果たした。

 1年でのプレミアリーグ復帰を果たしたレスターでは公式戦35試合出場で6ゴール3アシストを記録したブオナノッテだったが、チームは昨季を18位で終えて1年で再び降格したこともあり、レンタル移籍期間満了に伴い、今夏ブライトンに復帰していた。

 なお、ブオナノッテのチェルシー加入が決定すれば、2022年5月に現在のオーナー体制になって以降、スペイン代表DFマルク・ククレジャ、同代表GKロベルト・サンチェス、エクアドル代表MFモイセス・カイセド、さらには今夏加入したJ・ペドロに続いて、直近3年でブライトンからチェルシーに加入する5人目の選手となる。
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