マンチェスター・シティは9月2日、パリ・サンジェルマン(PSG)からイタリア代表GKジャンルイジ・ドンナルンマが完全移籍加入することを発表した。

 クラブからの発表によると、ドンナルンマは2030年6月30日までの5年契約を締結。
イギリスメディア『スカイスポーツ』によると、契約には1年間の延長オプションも付帯しているという。移籍金は公表されていないものの、フランスメディア『RMCスポーツ』によると、ボーナスを除いて3000万ユーロ(約52億円)ほどの見込みだ。

 完全移籍加入に際し、ドンナルンマはマンチェスター・シティを通して次のようにコメントを発表。マンチェスター・シティでの日々を想像し、期待感を膨らませた。

「マンチェスター・シティと契約できたことは、僕にとって非常に特別で誇らしい瞬間だ。世界最高峰の才能が集うチームに加わり、サッカー史上最高の監督の一人であるペップ・グアルディオラが率いるチームの一員となれるんだ。間違いなく、ここは世界のサッカー選手が誰もが憧れるクラブ。実際、僕は長年マンチェスター・シティの試合を憧れの眼差しで見続けてきた。だからこそ、今このクラブでプレーできることは、大変な名誉であり特権なんだ」

「新しいチームメイト、スタッフ、そしてファンの皆さんに会えるのを心待ちにしている。『エティハド・スタジアム』でプレーできることは、僕にとって本当に特別な経験になるだろう。これから起こることのすべてに、素直にワクワクしている。クラブがさらに成功できるよう、全力を尽くすことを約束する」

 ドンナルンマは1999年2月25日生まれの現在26歳。
ミランのアカデミー育ちで、2015年10月に16歳8カ月の若さでトップチームデビューを飾ると、以降は251試合にわたってミランのゴールマウスを守り、2021年夏にPSGへ完全移籍加入を果たした。PSGでは加入直後こそコスタリカ代表GKケイロル・ナバス(現:プーマスUNAM)と出場時間を分け合ったものの、2年目からは不動の守護神に君臨し、これまで公式戦通算161試合に出場。2024-25シーズンは、PSGのリーグ・アン4連覇だけでなく、クラブにとって悲願のチャンピオンズリーグ(CL)優勝にも大きく貢献していた。

 また、イタリア代表としても長きにわたって活躍。2016年9月に“アズーリ”の一員としてデビューすると、ジャンルイジ・ブッフォン氏から正守護神の座を継承し、これまで国際Aマッチ通算で74試合のゴールマウスを守っている。EURO2020では全試合に出場し、イタリア代表の13大会ぶり2度目の大会制覇の原動力となっただけでなく、個人としてもMVP(最優秀選手賞)を受賞。、ジェンナーロ・ガットゥーゾ新監督の下でスタートを切る9月シリーズの代表メンバーにも名を連ねている。

 ドンナルンマについては今夏、PSGがリールからフランス代表GKリュカ・シュヴァリエを獲得したことにより、“正守護神”の座をはく奪されていた。ルイス・エンリケ監督は、UEFAスーパーカップのトッテナム・ホットスパー戦(○2-2/PK戦:6-5)から一貫してシュヴァリエを起用。メンバー外が続いたドンナルンマは、8月22日に行われたリーグ・アン第2節アンジェ戦(○1-0)では、本拠地『パルク・デ・プランス』にてファン・サポーターに対して別れの挨拶を実施していた。

 今夏に開催されたFIFAクラブワールドカップ2025に参戦していたマンチェスター・シティは、大会前にリヨンからフランス代表FWラヤン・シェルキ、ミランからオランダ代表MFタイアニ・ラインデルスらを獲得。レンタルに出た選手を除くと、クラブにとってドンナルンマは今夏5人目の新戦力となる。
今後は、同じくこの夏の移籍市場でバーンリーから加わったイングランド代表GKジェームズ・トラッフォードと、正守護神争いを繰り広げることとなりそうだ。

 なお、8年間にわたってマンチェスター・シティのゴールマウスを守り、計「18」ものタイトルをクラブにもたらしたブラジル代表GKエデルソンは、同日付けでフェネルバフチェへの完全移籍が発表されている。


【ハイライト動画】ドンナルンマは昨季CLで圧巻のスーパーセーブを連発した



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