アストン・ヴィラは9月1日、マンチェスター・ユナイテッドから元イングランド代表FWジェイドン・サンチョがレンタル移籍加入することを発表した。

 クラブからの発表によると、レンタル移籍期間は2026年6月30日までの1年間。
イギリスメディア『スカイ』によると、有償でのレンタル移籍となった上で、レンタル移籍期間中の給与の80パーセントをアストン・ヴィラ側が負担する見込みだ。なお、サンチョとマンチェスター・ユナイテッドの契約は2026年6月30日をもって満了を迎えるが、契約には1年間の延長オプションが付帯しているため、来夏のフリーでの退団が確定したわけではないという。

 サンチョは2000年3月25日生まれの現在25歳。ワトフォードやマンチェスター・シティのアカデミーで育ち、2017年夏に海を渡ってドルトムントへ加入した。加入直後はU-19やU-23チームでもプレーしたが、同年10月にはトップチームでブンデスリーガデビューを果たし、ドルトムントで公式戦に出場した初のイングランド人となる。翌シーズンからは両サイドのウイングを主戦場に不動の地位を築き、在籍した4シーズンで公式戦通算137試合出場50ゴール64アシストを記録。2019-20シーズンのDFLスーパーカップ、翌2020-21シーズンのDFBポカールでは優勝に大きく貢献した。

 ドルトムントで欧州屈指のウインガーとして名を馳せると、2021年夏に推定7300万ポンド(現在のレートで約145億円)の移籍金でマンチェスター・ユナイテッドへ完全移籍。加入してからの2シーズンは一定の出場機会を確保していたが、2023-24シーズンには、自身の練習態度をめぐって当時のエリック・テン・ハフ監督と対立。以降はトップチームの練習から外され、同シーズン後半戦はレンタル移籍でドルトムントへ帰還すると、背番号「10」を託され、公式戦通算21試合出場3ゴール3アシストを記録。ドルトムントのチャンピオンズリーグ(CL)決勝進出にも貢献した。

 昨季はチェルシーへレンタル移籍し、公式戦41試合出場5ゴール10アシストを記録。
カンファレンスリーグ(ECL)決勝ではダメ押しとなるチーム3点目を挙げ、チェルシーのタイトル獲得にも貢献した。レンタル移籍契約には最大2500万ポンド(約50億円)での買い取り義務が付いていたものの、チェルシーが500万ポンド(約10億円)を支払うことで、この買い取り義務条項を放棄できる権利もあり、最終的には給与面で合意に至らず、マンチェスター・ユナイテッドへ一時帰還。しかしながら、ルベン・アモリム監督が率いるチームに“居場所”はなく、ドルトムント、ユヴェントス、ローマなど複数のクラブからの関心が報じられていた。

 最終的に、サンチョの新天地はアストン・ヴィラに決定。アストン・ヴィラは今夏、カスムパシャからU-21トルコ代表DFヤシン・オズジャンを完全移籍で獲得したが、同選手は直後にアンデルレヒトへレンタル移籍しており、純粋な意味での新戦力は、ニースから完全移籍加入したコートジボワール代表FWエヴァン・ゲサンのみとなっていた。だが、“デッドラインデー”に入ってスウェーデン代表DFヴィクトル・リンデロフ、U-21イングランド代表MFハーヴェイ・エリオット、サンチョの獲得に漕ぎ着けた。


【ハイライト動画】昨季のサンチョはチェルシーのECL優勝に貢献



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