レヴァークーゼンにとってはまさしく激動の夏となった。

 2023-24シーズンに公式戦51試合無敗という驚異的な記録を打ち立て、史上初のブンデスリーガ無敗優勝を成し遂げたレヴァークーゼン。
しかし、昨シーズンは無冠に終わると、“伝説的チーム”を作り上げたシャビ・アロンソ前監督(現:レアル・マドリード)が退任。過去にアヤックスやマンチェスター・ユナイテッドを率いてきたエリック・テン・ハフ氏が後任となった。

 新たなスタートを切ることとなったレヴァークーゼンだが、今夏の移籍市場では主力の流出が相次いだ。ドイツ代表DFヨナタン・ターはフリーでバイエルンに加入し、同MFフロリアン・ヴィルツとオランダ代表DFジェレミー・フリンポンは揃ってリヴァプールへ移籍。エクアドル代表DFピエロ・インカピエ(現:アーセナル)、スイス代表MFグラニト・ジャカ(現:サンダーランド)、ナイジェリア代表FWヴィクター・ボニフェイス(現:ブレーメン)も退団し、無敗優勝チームは事実上の解体となった。

 そして、現地時間1日には今夏に就任したばかりのテン・ハフ監督の解任を発表した。公式戦の初陣となったDFBポカール1回戦では4部所属のクラブに快勝したが、ブンデスリーガ開幕節ではホッフェンハイムに逆転負け。続く第2節では一時2点をリードしながらもブレーメンと3-3のドローに終わり、リーグ開幕から2戦未勝利となっていた。データサイト『Opta』によると、夏のプレシーズン中に就任した指揮官のうち、ブンデスリーガの最初の2試合を終えた時点で解任されたのはテン・ハフ監督が史上初だという。

 レヴァークーゼンのシモン・ロルフェスSD(スポーツディレクター)はシーズン開幕直後での大きな決断に関して「この決定は容易ではなく、誰もこの措置を望んでいたわけではない。しかし、ここ数週間を見て、この体制では新たに成功するチームを構築することは不可能だと判断した」と言及。後任が決定するまでは、暫定的にコーチングスタッフ陣がトップチームの指揮を執ることとなっている。


 指揮官交代、無敗優勝を知る実力者たちの退団、新監督の電撃解任と激動の夏を過ごしたレヴァークーゼン。2025-26シーズンはまだ始まったばかり。果たしてここからどのような戦いを見せるのだろうか。
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