チェルシーで戦力外となっているイングランド代表FWラヒーム・スターリングの新天地が決まらなかった理由が分析されている。5日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。


 現在30歳のスターリングはリヴァプールやマンチェスター・シティでのプレーを経て、2022年夏に4500万ポンド(約89億円)の移籍金でチェルシーに加入し、2027年6月30日までとなる5年契約を締結した。チェルシーでは公式戦通算81試合出場で19ゴール12アシストを記録している。

 そんなスターリングは昨夏に就任したエンツォ・マレスカ新監督の構想から外れ、昨夏は移籍市場最終日にアーセナルへとレンタル移籍で加入した。しかし、期待された活躍を見せることはできず、公式戦28試合出場で1ゴール5アシストを記録するにとどまり、レンタル移籍期間満了に伴い、アーセナルを退団。チェルシーに戻ったものの、今夏の移籍市場で退団することが見込まれていた。

 移籍先を探していたチェルシーはチャンピオンズリーグ(CL)に出場するレヴァークーゼンやユヴェントスなどをスターリングに打診。同選手は興味を示したものの、家族と離れたくないという同選手の希望が優先されて話は進展しなかったという。

 そこでチェルシーはフルアムやクリスタル・パレス、ウェストハムといったロンドンのクラブにも打診したが、現在チェルシーに所属している選手で最高額となる32万5000ポンド(約6460万円)という週給が大きな障壁となり、これらの選択肢も実現しなかった。

 ただ、過去12カ月間にわたってサウジ・プロフェッショナルリーグ(SPL)からのはるかに高額なオファーを断っているスターリングとしては、給与が移籍先を決める条件のすべてではなく、息子がアーセナルの下部組織に在籍していることもあり、ロンドン近郊に留まりたいことも要因となっていることが新天地を探す難しさになっていたようだ。

 チェルシーとしては戦力外となっているスターリングに対して残る総額3000万ポンド(約60億円)ほどの高額な給与を支払い続けることへの難色を示しているものの、スターリングとしては安易に契約解除する選択肢もない模様で、トップチーム施設の使用が制限されている中で、プロ意識を持って解決策が見つかるまで個別トレーニングを続けると見られており、このまま再び移籍が可能となる来年1月の移籍市場を待つことになりそうだ。
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