ヨーロッパの王が格の違いを見せつける圧勝だった。7日に行われたFIFAワールドカップ26欧州予選・グループEの第2節で、トルコ代表と対戦したスペイン代表は、6分にMFペドリが先制点を挙げたのを皮切りに、ゴールショーを開演。代名詞のティキ・タカに、自陣からのカウンターと、チームとして多彩な攻撃パターンでネットを揺らしていく。MFミケル・メリーノのキャリア初となるハットトリックもあり、トルコ・コンヤに刻んだリザルトは6-0。“無敵艦隊”…とはまさにこのことだ。
試合後、デ・ラ・フエンテ監督は記者会見に登場。6得点圧勝を収めるとともに、公式戦無敗記録(※)を『27』に伸ばしたチームについて、「改善すべき点は、たくさんあるよ。だって、私の想像を超えてくるほどの、成長の可能性を残しているチームだからね。彼らは飽くなき向上心を持っているので、今はさらに上を目指すためになにをすべきかを考えている。本当に、このチームを誇り思う」と告白。続けて「最も誇らしいこと? チーム、選手だよ。彼らは子供の頃から成長を続け、今もなお向上心を持ち続けている。
※ポルトガルに敗れたネーションズリーグの決勝戦は、PK戦での決着であるため、公式記録上は引き分け扱いとなる。
また、多彩な攻撃パターンでトルコを翻弄したスペイン代表。「選手たちをよく理解しているし、チームがあらゆる局面に対応できることも知っている」と口にした同指揮官は、「選手たちが快適にプレーでき、明確な考えを持てるような仕組みを与えている。我々は、チームとして並外れたレベルに到達している」としつつも、「地に足をつけたままであることが大切なんだ。我々は慎重にならなければならない。幸いにも、彼らは世界最高の選手たちであるとともに、人としても優れているから、虚栄心や傲慢さによって成功を逃すことはないだろう」と慢心はないことを語った。
最後に、デ・ラ・フエンテ監督はMFペドリを絶賛。同試合ではメリーノがハットトリックを達成したなか、こちらも2ゴールを決めるなど傑出したパフォーマンスを見せた22歳のポテンシャルについて問われた、同指揮官は「この先、彼がバロンドールを受賞できると考えるか? 残念なことだけど、フットボール史はスペイン人選手にフェアではなかった。(アンドレス・)イニエスタ、シャビ、シャビ・アロンソといった例がそうだ」と前置きした上で、「今回はラミン(・ヤマル)とファビアン(・ルイス)がノミネートされているけど、ペドリ、メリーノ、(マルティン・)スビメンディ…と思いつく限りの選手たちも、それに値するべきだっただろう。ただ間違いなく言えるのは、ペドリはそのポジションにおいて世界最高の選手ということ。
欧州予選2連勝スタートを切った今、デ・ラ・フエンテ監督が渇望するのは、さらなる成長だ。“未完成”の王者は、より洗練されたチームとなれるのだろうか。かつて、先輩たちが成し遂げた前人未到の3冠(EURO2008、南アフリカW杯、EURO2012)の再現が現実味を帯びるかどうかは、本大会までの10カ月にかかっている。
【圧勝】トルコを6発粉砕のスペイン