8大会連続8度目のワールドカップ出場を史上最速で決めた日本代表。開幕まで残り1年を切ったFIFAワールドカップ26の開催国の1つであるアメリカ遠征を実施。
9月はホスト国であるメキシコ代表、アメリカ代表との国際親善試合を戦う。

 現地時間6日(日本時間7日)に対戦したメキシコ代表戦では、前半から攻守で優位に立ち、FIFAランキング13位のメキシコ相手に善戦したが、ゴールが遠くゴールレスドローに終わった。中2日での第2戦で対戦するアメリカ代表を紹介する。

■W杯常連のホスト国

 アメリカ代表はFIFAワールドカップ26のホスト国の1つであり、主開催国でもある。1994年に続いて32年ぶりにワールドカップを招致した中、実は1930年の第1回大会を経験している数少ない国の1つ。今回が12回目のワールドカップ出場となる。

 第1回大会の3位が最高成績だが、近年は2002年のベスト8が最高成績に。2018年のロシア大会は予選で敗退するなど、陰りも見える中で、自国開催の大会で大きな結果を残したいところだろう。

■女子とは大違いの関係性

 アメリカといえば男子以上に女子サッカーのイメージが強いだろう。女子ワールドカップで4度の優勝、オリンピックで5度の優勝を誇る最強チームであり、なでしこジャパンはこれまで41回も対戦。一方で、男子はここまでわずか3回しか対戦したことがない状況だ。

 最後の対戦は2022年9月23日、カタール大会の直前にキリンチャレンジカップ2022で対戦し、日本が鎌田大地、三笘薫のゴールで2ー0と勝利。
その前は2006年2月10日に国際親善試合で対戦し2ー3でアメリカが勝利。初対戦となった1993年3月14日の『キリンカップサッカー’93』で、3ー1で日本が勝利していた。

■欧州クラブで経験豊富な指揮官

 前回のワールドカップはベスト16に終わったアメリカ代表は、およそ3年の間に5度の監督交代に踏み切っており、現在指揮を執るのは2024年9月に就任したマウリシオ・ポチェッティーノ監督だ。現役時代はアルゼンチン代表としてもプレーしたポチェッティーノ監督は、ラ・リーガのエスパニョールでその手腕を発揮すると、サウサンプトン、トッテナム・ホットスパー、パリ・サンジェルマン(PSG)、チェルシーとヨーロッパのクラブを指揮し続けていた。エスパニョール監督時代には中村俊輔をセルティックから獲得。また、選手時代にはエスパニョールで西澤明訓ともプレーした経験がある。

 自身初となる代表チームの指揮となるポチェッティーノ監督。就任から1年が経過する中で、2025年3月のCONCACAFネーションズリーグでは準決勝でパナマ代表、3位決定戦ではカナダ代表に敗れて4位に終わると、その後のフレンドリーマッチで連敗。さらに、6月から7月にかけて開催されたCONCACAFゴールドカップでは順当に勝ち上がるも、決勝でメキシコ代表に敗れて優勝を逃していた。

 6日に行われた韓国代表との試合でも2ー0で敗戦。ワールドカップ開催まで1年を切った中で、国内での盛り上がりは十分とは言えず、信頼を取り戻すために強さを手に入れる必要がある状況だ。加えて、FIFAランキングのトップ30を相手に就任後8試合を戦ったが1勝7敗と大きく負け越し中。
チームを構築中とはいえ、不安が募る結果となっている。

■欧州でプレーする実力者も名を連ねる

 国内リーグであるメジャーリーグサッカー(MLS/アメリカ1部)でプレーする選手も多く招集している中、今回の国際親善試合2試合に向けてはヨーロッパ組も招集したポチェッティーノ監督。FWクリスティアン・プリシッチ(ミラン/イタリア)も復帰を果たした他、FWフォラリン・バログン(モナコ/フランス)、FWティモシー・ウェア(フルアム/イングランド)、DFクリス・リチャーズ(クリスタル・パレス/イングランド)などが名を連ねている。

 「ワールドカップが始まったら勝ち始める必要がある」と、韓国代表戦で敗れた後にポチェッティーノ監督は語っており、今は結果よりも選手の見極めとチームの構築を大事にしているようだが、個の能力が優れている選手たちがまだ噛み合っていない様子は韓国戦でも見られており、残り1年を切った中でどういったチームを作るのか。日本戦でどのようなテストをするのか注目だ。

■アメリカ代表との対戦成績
2勝1敗(7得点、4失点)

【1993年3月14日】
○3-1 キリンカップサッカー’93
【2006年2月10日】
●2-3 国際親善試合
【2022年9月23日】
○2-0 キリンチャレンジカップ2022
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