「優先事項は、コナテとジョアンだ」と、スペイン紙『アス』は指摘する。バルベデバスでは、この先の10年を見据えた、ディフェンスラインのロードマップを描き切っている。だからこそ、今夏にサイドバック(トレント・アレクサンダー・アーノルドとアルバロ・カレーラスをともに2031年夏までの契約で獲得)の解決に至ったレアル・マドリードの次なる動きは、センターバックの世代交代を推し進めることという。ともに、2026年夏に契約満了を迎えるアントニオ・リュディガーとダヴィド・アラバの退団を既定路線とした上で、その後継者となる2選手を選定した模様。イブライマ・コナテと、ジョアン・マルティネスだ。
リヴァプールとフランス代表で“壁”として君臨する、コナテは現在26歳。対する、そこはかとなくセルヒオ・ラモスの面影が重なるJ・マルティネスは、レアル・マドリード・カスティージャ(Bチーム)に所属する現在18歳のセンターバックだ。前者は「堅実枠」で、後者は「有望枠」の典型であり、コナテとリヴァプールの現行契約が満了を迎えるため、両者ともにフリー獲得が可能であることが、食指が動く要因となっているとのこと。とくに、ここ5年間の方針として「財源を枯渇させることなくチームを構築すること」を掲げながらも、今夏に1億ユーロ(約173億円)以上を投じたレアル・マドリードは、かつてフリー獲得したリュディガーとアラバの後継者を同様の形で手に入れることが、来夏の移籍市場における完璧な戦略だと考えていることを、『アス』は伝えている。
ただし、優先事項としている両者だが、いくつかの疑問点を抱えているのも確かだ。コナテに関しては、リヴァプールとの延長交渉における最終的な決断を下しておらず、仮に「イエス」と返答したならば、プランは大きく崩れることになる。選手自身は、この代表ウィーク期間中に「(キリアン・)エンバペが2時間おきに電話してくるんだ!」と移籍報道に対するジョークを述べていたが、残留か移籍のどちらに傾くかが、注目を集めている。
J・マルティネスに関しては、1年間の全休を余儀なくされた、左膝前十字じん帯断裂の大ケガの影響だろう。回復が順調に進んだ同選手は、先月29日のルーゴ戦でスタメンフル出場しており、復帰かつカスティージャでの公式戦デビューを果たした。現状、クラブ上層は、もっと継続的なハードワークを求めている一方で、トップチームを率いるシャビ・アロンソ監督は、アラバがコンディションを上げているとはいえ、事実上、5番手のセンターバックである18歳を身近に置いておきたいと考えており、コパ・デル・レイ(国王杯)などでは出番が回ってくるかもしれないようだ。
カルロ・アンチェロッティ氏の後任として就任した、シャビ・アロンソ新監督の下で新時代を迎えているレアル・マドリード。“新たな銀河系軍団”の顔ぶれに、コナテとJ・マルティネスも加わることとなるのだろうか。