アトレティコ・マドリードを率いるディエゴ・シメオネ監督が、『El Partidazo de Cope』のインタビューに応じた。

 2分1敗。
ロヒブランコスが苦しんでいる。2年連続となる“ビッグサマー”となった今夏に、MFアレックス・バエナやMFジョニー・カルドーゾといった11名の新戦力を獲得しており、1億7000万ユーロ(約293億円)ほどを補強費に投じたものの、4シーズンぶりのラ・リーガ優勝、そして悲願のチャンピオンズリーグ初制覇に、早くも懐疑的な目が向けられつつある。

 そんななかで、この代表ウィーク期間中に『El Partidazo de Cope』のインタビューに応じたシメオネ監督は、「我々は、常にタイトルを求めている」とした上で、「今、タイトルについて語るのは、アトレティである我々にとって良いことではない。チームの成長に集中する必要がある。もちろん、諦めたわけではないよ」と信条とする“パルティード・ア・パルティード(1試合1試合)”が、今はより重要であることを語った。

 それでも、「昨年は、一時は10ポイント差をバルセロナにつけられていたが、12月には首位に立つことができた」と反撃の時間は残されている、とした“チョロ”は「批判は当然のことだ。獲得できるポイントを積み上げられていないのだから」としつつも、「最も重要なことは、チームを見出し、改善すること。すべてがうまくいっていないように見えるけど、必ずしもそうとは限らないんだ。確かに、9ポイント中2ポイントしか獲得できていないことを正当化したいわけではなし、正当化できる理由もない。私は、勝ち点に生かされている。たとえどんなに下手なプレーでも、それを得られれば生きていけるくらいにはね。ただ今は、それほど下手なプレーをしているわけではないが、勝ち点が伸びてこない」と内容と結果の乖離を嘆いた。


 シメオネ監督にとって、今シーズンは15年目の指揮となる。就任当初は中位争いが定位置だったクラブを、“スペイン3強”の一角にまで押し上げたが故に、求められるレベルも高くなった、と口にしたシメオネ監督は「勝たなければいけないことは分かっている。4年間ずっとそう思ってきた。アトレティコがクラブとしても、チームとしても、成長を続け、さらに発展していくためには、もう一度勝たなければならない。1996年、2014年、そして2021年に優勝した。今は、ふたたび我々の番だ」と決意。続けて「私は現状に満足せず、気を緩めず、3位で十分だと考えないようにしている。なぜって、もうそれだけでは物足りないからだ。3位で満足するか? いや、できない。確かに、クラブにとって3位であることは極めて重要なことで、私自身もこのクラブの人間だ。就任した当初は、チームの勝利は幸せだった。でも今は、それが安堵へと変わった」と“強者”に成り上がったことで芽生えた誇りを明かしている。


 シメオネ監督が指揮した15年で、地位が大きく変わったアトレティコ・マドリード。勝ち続けることで得たプライドが、開幕3試合未勝利の状況を打破する原動力となるかもしれない。
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