12日、チリで開催されるFIFA Uー20ワールドカップに臨むUー20日本代表メンバーが発表された。船越優蔵監督が率いるチームは、2028年に行われるロサンゼルスオリンピックを目指す世代であり、今大会は大きな意味合いを持つこととなる中で、これまでキャプテンを務めてきたDF市原吏音(RB大宮アルディージャ)への期待を語った。


 今回のメンバー21名には、海外組としてDF喜多壱也(レアル・ソシエダ/スペイン)、DF小杉啓太(ユールゴーデン/スウェーデン)、FW高岡伶颯(ヴァランシエンヌ/フランス)の3名が招集。また、日本代表経験者であるGKピサノアレクサンドレ幸冬堀尾(名古屋グランパス)、MF大関友翔(川崎フロンターレ)、MF佐藤龍之介(ファジアーノ岡山)もメンバー入りを果たした。

 2023年に立ち上がったUー18日本代表からこのチームを見てきた船越監督。Uー20世代には84名の選手をこれまで招集してきた中で、チームのキャプテンは市原がメインに。J1昇格を争うチームにおいても主軸としてプレーする市原は、大事なシーズン終盤戦で代表活動に回ることとなった。

 Uー20ワールドカップでのキャプテンについては「まだ決めていません」と語った船越監督。ただ「今までの流れは市原で来ているので、今回もそうなる可能性はあります」と、継続して市原がキャプテンになる可能性を示唆した。

 その中で、キャプテン以上の役割を期待しているとコメント。「キャプテンというよりは、リーダーになって欲しい。俗称はキャプテンかもしれませんが、チームをリーダーとして引っ張っていって欲しいなと思います」と、これまで以上に重要な役割を担って欲しいと語った。

 RB大宮でもクラブ生え抜き選手として18歳でデビューを果たし、現在はディフェンスラインを支える中心選手に。船越監督も期待寄せる中、リーダーについては「選手よりでもなく、スタッフよりでもなく、チームがどうなったら勝ち進めるのかということを先頭になって引っ張る、考えることがリーダーだと思います」と言及。
「ただゲームでコイントスをして最後に挨拶をするだけではなく、食事会場、ホテルでも意見があったらリーダーがスタッフに言う。スタッフの意見も選手に伝える役割も必要」と、チームの勝利のために考え、行動を起こせる選手だとし、「周りがキャプテンだからではなく、本当にチームのことを考えているというような、誰がみてもそう感じ取れるような選手がリーダーだと思っているので、そういった選手になって欲しいと話しています」と、市原にもその点を伝えていると明かした。

 船越監督は2023年のUー20ワールドカップにはコーチとして参加。しかし、グループステージ3試合で終わってしまった。アルゼンチンでの大会の経験を胸に、今回のチリ大会に臨む船越監督。「南米は時差もある、グラウンドもそこまで良くない。南米のチームとやる時は本当にどアウェイでやらなければいけないというのを前回経験させてもらいました」と環境の違いについて語り、「想像はしていますが、実際に行くと想像以上のプレッシャーを感じました。ただ、それを経験したことによって、上手くいかせる、選手にも伝えられると思います」と、しっかりと選手にも共有したいと語った。

 また「やり残したことは、3試合で終わってしまったこと」と前回大会を振り返り、「7試合できなかったことはやり残したことだと思っているので、1試合でも多く真剣勝負を過酷な環境でできるということ。これほど選手の成長に適したシチュエーションはないと思うので、是が非でも7試合を戦って帰って来たいと思います」と、しっかりと世界と闘い続けることを目指して臨みたいとした。
編集部おすすめ