セルティックを率いるブレンダン・ロジャーズ監督が、同クラブに所属する日本代表FW前田大然の退団希望についてコメントした。12日、イギリスメディア『スカイスポーツ』が伝えた。


 10月に28歳の誕生日を迎える前田は、松本山雅FCやマリティモ(ポルトガル)、横浜F・マリノスなどを経て、2022年1月からセルティックに加入した。2024-25シーズンは公式戦で33ゴールを挙げる活躍を披露し、選手投票、リーグ、クラブの年間MVPを総なめにした。

 欧州5大リーグへのステップアップを期待されているが、今夏の移籍市場では実現しなかった。前田自身は9月の代表活動中、「オファーがあって、僕自身も次のステップに行きたいという思いは伝えていました。セルティックの補強がうまく進まず、残ることになりました」と、今夏の移籍を希望していたがクラブの事情で実現しなかったことを認めていた。

 この発言がスコットランドで波紋を呼ぶなか、ロジャーズ監督は「(前田のコメントには)驚かなかった。なぜなら、2月末からダイゼンの状況は把握していたからだ」と反応。前田が以前からステップアップの希望を秘めていたことを明かした。

 前田自身は「チャレンジしたいなという気持ちはありました」と心境を吐露しつつも、「セルティックに残ることはもう決まったことです。難しい部分はありますが、切り替えて、セルティックのために頑張りたいです」と意気込みを示していた。ロジャーズ監督も次のように語り、前田が再びセルティックのために献身的な姿勢で働くことを期待している。

「私たちは何度も話し合い、彼は試合でもトレーニングでも常に全力を尽くし続けている。
移籍の選択肢もいくつかあったし、彼と家族の人生にとって素晴らしい機会だっただろうが、実現しなかった。だから今は、再び挑戦するよう彼を説得するのが私の役目だ」

「選手には課題がつきものだが、ダイゼンの仕事への誠実さ、プレーへの姿勢は誰もが認めている。それらを再び結びつけることができれば、彼がプレー中に全力を尽くすことは間違いない」

 さらにロジャーズ監督は、「選手が移籍を希望するなら、我々はそれに備えるべきだと今も考えている」と、将来的に前田がセルティックを退団する可能性が閉ざされたわけではないことを強調する。「今回の移籍期間では明らかに準備が整っていなかった。実現不可能だったが、私の考えは変わっていない」とし、今回の移籍市場ではクラブ側の都合で前田の移籍が実現しなかったことを認めた。

「特に長年在籍し、全力を尽くしてきた選手が、日本に戻る前に新たな挑戦を望むなら、それは彼にとって正しい選択だったかもしれない。しかし我々の置かれた状況と、時期が遅すぎたことが重なり、残念ながら彼のためにそれを実現できなかった」


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