チェルシーの守護神を務めているサンチェスだが、ビッグセーブを見せてチームを救う活躍を見せたりする一方で、繋ぎの部分や判断ミスなど不用意なプレーでピンチを招く場面もあり、不安定さが懸念材料となっている。
このため、今夏の移籍市場ではGK補強の必要性が多くのメディアで指摘されていたが、多数のGKを抱えるチェルシーは、今夏に開催されたFIFAクラブワールドカップ2025で最優秀GK賞に輝いて優勝に貢献したサンチェスに加え、UEFAカンファレンスリーグ(ECL)優勝に貢献したデンマーク代表GKフィリップ・ヨルゲンセン、さらには将来が期待される20歳のベルギー代表GKマイク・ペンダース(今季はストラスブールにレンタル移籍)がいることもあり、新たなGKは獲得しなかった。
そうしたなか、20日に行われたプレミアリーグ第5節のマンチェスター・ユナイテッド戦(●1-2)では試合開始5分でサンチェスが一発退場になってしまい、エンツォ・マレスカ監督からは「私としては(試合開始)3分で1点ビハインドになる方が、3分で1人失うよりマシだ」と苦言を呈されるなど、難しい判断ながら早々に退場となってしまったサンチェスのプレーに再び注目が集まる事態となっている。
これを受け、現役時代にマンチェスター・シティやセルティックなどで活躍したハート氏はイギリスメディア『BBC』で「彼は非常に運動能力が高く、調子が良い時は圧倒的なGKだ。果敢に攻めてくるし、非常に機敏で、大柄の長身で、調子が良い時は驚異的なセーブを見せる」と好調の時はサンチェスが素晴らしいGKであることを強調した一方で、指摘され続けている課題を克服できる見込みはないとも語った。
「残念ながら、GKというのは、特にプレミアリーグの上位チームでは、調子が良い日だけの選手ではダメなんだ。ストライカーではないんだ。ゴールを決めただけで、そのあとはひどいプレーばかりでも誰も気にしないなんてことはあり得ない」
「これは私たちがずっと言い続けてきたことでもある。3回素晴らしいセーブをしても、その直後に相手にパスをしたり、PKを与えたりしてしまったら、何の意味もない。彼にとってこの欠点は決して消えるものではない。彼が堅実なシーズンを送るまでは決して消えることはない。そして、ロベルト・サンチェスには今のところ、それができそうにない」
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