トッテナム・ホットスパー(スパーズ)の株式約87パーセントを保有するENICが、クラブ売却を改めて否定した。26日、イギリスメディア『BBC』が報じた。


 今月初めにダニエル・レヴィ元会長が電撃退任して以降、すでに3件の非公式なクラブ買収以降表明がスパーズに届いている。7日には、元ニューカッスルの株主であるアマンダ・ステイブリー氏のPCPインターナショナル・ファイナンス・リミテッド、およびロジャー・ケネディ氏とン・ウィン・ファイ氏が率いるコンソーシアムから買収提案があったが、ENICはいずれも拒否。

 さらに25日にはアメリカの技術起業家ブルックリン・エアリック氏のコンソーシアムから、世界記録の45億ポンド(約9000億円)と報じられる非公式な買収意向が表明された。しかし、ENICは「トッテナム・ホットスパーは売却対象ではなく、ENICはクラブの株式を売却する意向はないことを改めて確認する」と声明を発表した。英国の買収・合併規則によれば、意向表明が拒否された後、エアリック氏のコンソーシアムは当該日までに正式な買収提案を行うか、提案しない意向を表明しなければならない。

 ENICの株式の過半数を保有するジョー・ルイス家に近い情報筋は、クラブは売却対象ではないと改めて強調し、「この一方的で不要な関心が、ピッチ上の成功を推し進めるために必要なあらゆる手段を講じるという家族の決意とコミットメントを変えることはない」と述べたようだ。

 スパーズのトップチームを率いるトーマス・フランク監督も、「ルイス家は非常に透明性が高く、コミュニケーションの取り方も非常に優れており、クラブが売却対象ではないことは明らかだ」とコメント。「ヴィナイ(・ヴェンカテシャムCEO)はあらゆる面で非常に明確であり、個人的には毎日仕事に向かう環境が非常に安定していると感じている」と語り、現在の経営体制が盤石であることを強調した。
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