バイエルンは30日、チャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第2節でパフォスの本拠地に乗り込む。バイエルンに所属するドイツ代表DFヨナタン・ターが前日会見において、試合の意気込みに加えて、自身の幼少期のアイドルや新フォーマットに関する意見を口にした。
UEFA(欧州サッカー連盟)が29日、前日会見の様子を伝えている。

 今シーズンもその“強者ぶり”を遺憾無く見せつけるバイエルンは、ここまで行われたブンデスリーガで5戦全勝を記録しており、DFBポカール1回戦でもヴェーエン・ヴィースバーデン(3部)に3-2で勝利。加えて、今月17日に行われたCL・リーグフェーズ第1節のチェルシー戦でも、3-1と白星を掴んだことで、現在は公式戦7戦全勝を達成している。

 だが、ターに気の緩みは見られない。「CLの試合で最も重要なのは、5大リーグではないクラブを過小評価しないことだ」と発したターは、「今回の対戦相手もそうだが、彼らがCLに出場しているのには相応の理由がある」とパフォスに対して警戒心を口にする。一方で、「どのチームにも質の高さがあることに間違いはないが、我々が集中力を保ち、自分たちのやり方に自信を持って各試合に臨めば、うまく乗り切れるはずだ」と、自信も示した。

 また、会見では幼少期の“アイドル”に関する話題も生まれており、ターは自らのアイドルとして、かつてバルセロナやミラン等のクラブで活躍した元ブラジル代表MFロナウジーニョ氏の名前を挙げた。「彼のプレーを見るのが最も楽しかった。彼が体現していた情熱こそ、まさに僕の求めるものだった。ちょうどその頃、僕がテレビでサッカーを観戦し始めた時期だったことも影響している」とその理由を明かすと、「自分のポジションでは『この選手のプレースタイルが好きだ』と思った選手が何人もいるよ。たとえば、バイエルンでも活躍したジェローム・ボアテングだ。もちろん、ハンブルクでプレーしていた僕らの監督(ヴァンサン・コンパニ)もそんな選手だった。
セルヒオ・ラモスも良い例で、彼のプレーは本当に見ていて楽しかった」と明かしている。

 今季よりバイエルンでプレーするターにとって、コンパニ監督から指導を受けるのは初めてのことだが、既に好感触を手にしているという。「彼の働きは非常に緻密で、細部まで徹底的にこだわっている。特に守備の細かい部分に関して、彼は僕に多くのことを教えてくれているよ」と切り出したターは、コンパニ監督の指導について、次のような感想を述べている。

「彼は非常に強度高く、内容の濃いトレーニングを行っていて、それは僕にとっても好ましい状況だ。そして、彼が僕らに伝える言葉の一つ一つには、確固たる信念が込められているんだ。僕らは前進を続け、何かの問題が起きようとも計画を貫く。こんな姿勢が気に入っている。指導者が自らの教えを心から信じていると感じられる時、それはチームにとって大きな力になると思う」

 また、ターは昨季より導入されたリーグフェーズ制にも言及。従来のグループステージ制では、各グループに4チームずつが振り分けられ、ホーム&アウェイの6試合を戦っていた。だが、現在施行されているリーグフェーズ制では、各ポッドから2チームずつ、計8チームと対戦し、大会に参加する全チームによってリーグフェーズの順位が争われている。

 単純な比較で、決勝トーナメント以前の最低試合数が6試合から8試合に増加しており、リーグフェーズを9位から24位までで終えた16チームは、ホーム&アウェイでのプレーオフに臨むため、2試合を追加で戦わなければならない。
ただでさえ過密日程の中で進む欧州のカレンダーに、さらに拍車をかける決定だとして、一部では批判の声も挙がっていたが、ピッチでプレーする張本人のターは、この新フォーマットをポジティブに受け入れているようだ。

「正直なところ、この形式は気に入っている。確かに、リーグ戦の試合数は増える。順位次第では追加の試合も数試合増えるが、それでも良いじゃないか。なぜなら毎節素晴らしい試合が組まれ、仮に自分がプレーしていない試合でも、観戦が楽しいからだ。実際にピッチに立つ人間としては、開幕戦から常に緊張感があるし、これらを経験した上で、僕は楽しいと思っているよ」


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