AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)・リーグステージ第2節が30日に行われ、サンフレッチェ広島(日本)はホームで上海海港(中国)と対戦した。

 広島は2024明治安田J1リーグを2位で終え、今大会の出場権を手にしていた。
16日に行われた今大会の初陣では、メルボルン・シティ(オーストラリア)と対戦しており、マルコス・ジュニオールのPKと中島洋太朗のヘディングシュートにより、2-0で勝利。敵地から勝ち点「3」を持ち帰ることに成功していた。

 今季の広島は2025明治安田J1リーグだけでなく、JリーグYBCルヴァンカップ、天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会と、現時点では国内すべてのコンペティションで勝ち残っているため、依然として過密日程で試合をこなしている。今回の上海海港戦は、前節の2025明治安田J1リーグのアビスパ福岡戦(○2-1)から中2日で迎えるゲーム。福岡戦からはGK大迫敬介、キム・ジュソン、田中聡、前田直輝を除くスターティングメンバーの7名を入れ替え、かつて横浜F・マリノスを率いてJ1リーグ優勝も成し遂げたケヴィン・マスカット監督が指揮を執る上海海港と激突した。

 試合は序盤の10分、広島にビッグチャンスが到来。相手のバックパスが乱れた隙を見逃さなかったマルコス・ジュニオールが、飛び出してきたGKをかわそうとした際に倒される。抜け出せば超決定機だったが、ここはまさかのノーファウルの判定となる。

 広島側の視点ではやや疑問の残るジャッジとなり、嫌な雰囲気も漂ったが、そんな雰囲気を広島の日本代表DFが打ち破る。19分、 木下康介のポストプレーから左サイドを抜け出した東俊希がコーナーキック(CK)を獲得。この左CKを東が左足で蹴り、アウトスイングのボールを放り込むと、ボックス内中央で相手のマークを振り切った荒木隼人にピタリ。ヘディングシュートを叩き込み、広島が先手を取った。


 このゴールで勢いに乗った広島は直後の23分、敵陣でセカンドボールを回収したマルコス・ジュニオールのパスから、ペナルティエリア手前で前を向いた川辺駿が思い切りよく右足を振り抜くが、低弾道のミドルシュートはGKに弾き出される。以降も川辺が複数回にわたってゴールを脅かしたほか、木下もフィニッシュまで持ち込む場面を作ったが、追加点は生まれず、広島の1点リードでハーフタイムに突入した。

 後半に入ると、立ち上がりの49分に広島がピンチを迎える。左サイドからクロスボールを上げられ、荒木の前に入ったグスタボにヘディングシュートを放たれたが、ここはGK大迫がさすがの反応を見せてゴールを死守。だが、クリアボールを拾おうとスプリントをかけたマルコス・ジュニオールが左の太もも裏を痛めてしまい、後半の早い時間帯に交代カードを切ることに。加藤陸次樹がピッチへ送り出された。

 64分にはその加藤がチャンスを構築。先制点のシーンと同じく東の蹴った左CKから、ニアサイドへ飛び込んだ前田がヒールでフリックし、最後は加藤が反転から左足で狙う。しかし、シュートはクロスバーに嫌われ、追加点とはならず。

 直後の65分、広島は2枚の交代カードを切り、木下と前田に代えて、中島洋太朗とヴァレール・ジェルマンを投入。その後は中島が2本のシュートでゴールに迫ったものの、これ以上の得点は奪えずにいると、83分、広島は痛恨の失点。上海海港陣内からのロングボールを放り込まれ、ピッチ中央まで飛び出した荒木の頭を超えて背後へボールが流れると、途中出場していたガブリエルジーニョにドリブル突破からシュートをねじ込まれた。


 ホームで勝ち越し点が欲しい広島は89分、ジェルマンが際どいシュートを放ったが、仕留められない。90分には上海海港のグスタボが一発レッドカードで退場処分となり、広島はアディショナルタイムの6分間を数的優位の状況で戦ったが、最後まで2点目は奪えず、試合はこのまま1-1でタイムアップ。この結果、広島はACLEで開幕2連勝を逃した。

 次節は10月21日に行われ、広島はアウェイで蔚山HD(韓国)と、上海海港はホームでFC町田ゼルビア(日本)と、それぞれ対戦する。

【スコア】
サンフレッチェ広島 1-1 上海海港

【得点者】
1-0 19分 荒木隼人(サンフレッチェ広島)
1-1 83分 ガブリエルジーニョ(上海海港)


【ゴール動画】荒木隼人が先制弾も、広島は終盤の失点でドロー





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