エヴァートンに所属するイングランド代表FWジャック・グリーリッシュが、今夏の移籍とマンチェスター・シティ時代を振り返るとともに、好調を維持する要因について語った。イギリスメディア『スカイスポーツ』が同選手のコメントを伝えている。


 今夏にエヴァートンへレンタル移籍加入したグリーリッシュは、ここまで行われた公式戦全8試合に出場。ゴールこそ記録していないが、アシストは4つマークしており、これは現時点でプレミアリーグトップの数字。8月のプレミアリーグ月間最優秀選手賞(MVP)に選ばれるなど、エヴァートンで“復活”の兆しを見せている。

 今夏の移籍を振り返ったグリーリッシュは、「周囲からは『エヴァートンに行くなんてどういうこと?』と言われたこともあったが、僕に言わせれば、彼らの質問こそ『どういう意味だい?』という感じだった。エヴァートンはビッグクラブだからね」と新天地に対して抱く印象を明かし、移籍の決め手の1つに“愛情”があったと伝えた。

「愛されていると感じている時、僕は最高の状態になれる。実際は、ピッチの外ではすごく傷つきやすい性格なんだ。だからこそ、どこかに行ってもう一度愛を感じたい。そして、目覚めたらまた笑顔でプレーしたい、そんな気持ちになりたかった」

 グリーリッシュは自らについて「もちろん、みんなは僕に対して色々な見方を持っているけど、僕にとってサッカー以上に好きなことは何もない。練習場であろうとなかろうと、とにかくサッカーをすることが大好きさ」と口にしただけでなく、「人々は『彼は出かけるのが好き、パーティーが好きなんだ』と言うよね。でも、僕も同感だ」と正直に告白。「自分の人生を楽しみながら生きていきたいと思っているだけさ。
もっとも、『いつ、どこで』は忘れてはならないけどね」と赤裸々に語った。

 かつて、グリーリッシュはアストン・ヴィラでまばゆいばかりの輝きを放ち、2021年夏に当時の英国人史上最高額の1億ポンド(約200億円)でマンチェスター・シティへ移籍した。背番号「10」を託されるなど大きな期待が寄せられたものの、近年は序列が低下していたことも事実。「正直に言うと、おそらく僕は正しいタイミングを選んでいなかった」と、マンチェスター・シティ時代を振り返ったグリーリッシュは、「たとえば、シティでは、時に自分の力を発揮できない時期もあった。それは公に言える。だが、いつも力を発揮できていなかったと言われると、そうではない」と主張し、次のように自身の考えを明かした。

「みんなから『シティで一体何が起こったんだ?』って言われるけど、僕はそこで良い“2年間”を過ごした。最初の1年は、あらゆることに慣れる時期だった。高額な移籍金で加入したこと、周囲から寄せられるプレッシャー、そして監督のプレースタイルや環境に慣れるためのね」

「2年目には3冠を達成し、信じられないような年だった。本当に嬉しかったよ。ただ、3年目は別だ。他の誰でもなく、自分の責任だと思っている。
あの年は、いくつか間違ったことをしてしまったんだ」

 マンチェスター・シティで徐々に輝きを失っていった中、今夏にはエヴァートン行きを決断し、現在は充実の時を過ごす。そんなグリーリッシュは、エヴァートンを率いるデイヴィッド・モイーズ監督に対して、「僕がこれまでやってきたようなプレーができる環境を与えてくれたのは彼(モイーズ監督)のおかげだ」と感謝を述べる。誰もが予測できない驚きのプレーで数々の決定機を生み出し、トリッキーで独特のリズムを武器とする選手だからこそ、「傲慢な意味ではないが、監督から『君はサッカー選手だ、自分のやりたいことをやれ』と言われるのは好きだよ」と明かす。

 そして、そんな言葉をかけてくれる指揮官こそがモイーズ監督だった。「僕にとっては『ジャック、ボールをもらったら、ただプレーするだけだ』と言ってくれる人がいい」と話したグリーリッシュは、「もちろん、ボールを持っていない時にも、やらなければならない仕事、役割はある。けれども、彼(モイーズ監督)は僕にこう言ってくれたんだ。『ボールを持ったら、ただ自分のやりたいことをやればいい』とね」と語り、自身の“復活”の背景にはモイーズ監督の存在が欠かせないことも強調した。


【動画】今季グリーリッシュが記録した4つのアシスト



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