AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)・リーグステージ第2節が10月1日に行われ、ヴィッセル神戸(日本)とメルボルン・シティ(オーストラリア)が対戦した。

 神戸は2024明治安田J1リーグでクラブ史上初の2連覇を達成し、今大会の出場権を獲得。
9月17日に行われたリーグステージの第1節では、かつて横浜F・マリノスを率いてJ1リーグ優勝も成し遂げたケヴィン・マスカット監督が指揮を執る上海海港(中国)の本拠地に乗り込み、エリキ、宮代大聖、大迫勇也のゴールで3-0と大勝。ACLE初優勝に向けて、白星スタートを飾っていた。

 今季の神戸は、3連覇に向けて優勝争いを繰り広げる2025明治安田J1リーグだけでなく、史上初の2連覇を目指す天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会でも準決勝に駒を進めており、現在はACLEも含めて3つのコンペティションを並行して戦っている。前節の2025明治安田J1リーグの清水エスパルス戦(○2-1)からは中3日の状況で、吉田孝行監督は同試合と比較して、次節の2025明治安田J1リーグは出場停止となるマテウス・トゥーレルを除いてスターティングメンバーを10名を変更。9月20日に加入が発表されたGK権田修一がデビューを飾り、岩波拓也、汰木康也、小松蓮らが先発に名を連ねる。一方で、メルボルン・シティのスターティングメンバーには、今年8月に加入した金森健志が入った。

 試合は序盤の3分、ペナルティエリア手前でこぼれ球を拾った汰木がこの試合のファーストシュートを放つも、神戸はなかなか決定的なシーンを作り出せない。32分には敵陣でボールを奪ったグスタボ・クリスマンが左足で強烈なミドルシュートを放ったが、ゴールを脅かしたのはこの場面くらい。対するメルボルン・シティは41分、左サイドからカットインした金森が、シザースから右足で狙うも、枠を捉えきれず。前半はスコアレスで終了した。

 後半に入ると、立ち上がりの51分に山内翔、56分に汰木、58分に濱﨑健斗と立て続けに枠内シュートを放つが、いずれもGKの正面。61分にカエターノの負傷によって酒井高徳が送り出されると、68分には山内、濱﨑、ジェアン・パトリッキを下げて、井出遥也、鍬先祐弥、宮代大聖と、直近のリーグ戦でも活躍を続ける面々を投入し、神戸は勝負をかける。


 スコアレスのまま時計の針が進んだが、79分には神戸がこの試合最大の決定機を構築。鍬先がドリブル突破でペナルティエリア左の深い位置まで持ち運び、クロスボールを上げると、1度は跳ね返されたものの、セカンドボールに反応した酒井がダイレクトでクロスボールを入れる。このボールが、ボックス内でフリーになった宮代の頭にピタリと合ったが、ヘディングシュートはGKパトリック・ビーチに阻まれた。

 このまま後半アディショナルタイムに突入し、ドローのままタイムアップの可能性も考えられたものの、最後の最後に試合が動く。GK権田のゴールキックから、ピッチ中央付近で小松がヘッドで流し、冨永虹七、宮代と繋いで、汰木がボックス内に侵入。ファーストタッチで触ったボールはGKビーチに弾き出されたものの、セカンドボールが相手選手に当たり、汰木の目の前にボールがこぼれてくる。最後は汰木が無人のゴールに蹴り込み、遂に神戸が先手を取った。

 試合はこのままタイムアップ。この結果、神戸はACLEのホーム開幕戦を白星で飾っただけでなく、公式戦の連勝数を「4」に伸ばした。なお、今節はサンフレッチェ広島(日本)が上海海港と1-1、FC町田ゼルビア(日本)がジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)と0-0で引き分けており、神戸は“Jリーグ勢”で唯一の勝利。清水戦に続いて、後半アディショナルタイムの劇的弾が勝敗を分けた。

 次節、神戸は22日に敵地で江原FC(韓国)と、メルボルン・シティは21日にホームでブリーラム・ユナイテッド(タイ)と、それぞれ対戦する。


【スコア】
ヴィッセル神戸 1-0 メルボルン・シティ

【得点者】
1-0 90+4分 汰木康也(ヴィッセル神戸)


【動画】均衡を破ったのは汰木康也!



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