FIFAU-20ワールドカップチリ2025で快進撃を見せるU-20日本代表。キャプテンを務めるDF市原吏音がオンライン取材に応じ、今大会ここまでを振り返った。


 日本はここまで3戦全勝で7得点無失点。完璧な成績でグループA首位通過を決めた。市原は「思った以上の結果と内容が付いてきています。複数得点で無失点、そして3勝して決勝トーナメントに行けたので、これ以上ない結果を得ることができて嬉しい」と振り返った。またグループステージ3試合を終え、GK中村圭佑を除く全選手がピッチに立っており、日本の総力を示す結果にもなっている。市原は「誰が出ても負ける気がしない」と自信を語る。

「この前は初めてベンチから見ましたけど(※U-20ニュージーランド代表戦の後半)安心して見ていられました。良い練習がそうさせているのかなと思っていて、みんな自信を持ってやってくれています。どうしても試合に出る・出られないというのはあるので、悔しい思いをする選手も出てきます。けど、その気持ちを押し殺してチームのために声を出したり、全員が率先して行動してくれる。チリ戦やエジプト戦は結構苦しい展開でしたけど、ピッチ内だけではなくベンチの選手が声を掛けてくれたり、得点を取った時に一緒に喜んでくれたり、よりチーム力も上がってきていて一つの大きい力になっていると思います。そういったことが巡り巡って自分のためになっていると思いますし、出ていない選手が出た時にサポートするとか、本当に今は良い流れです。
完成はされてないですけど、本当に良い方向に向かっていることを実感しています」

 市原は全3試合に先発出場し、プレッシャーがかかるPKを2本連続で決めている。「自チーム(RB大宮アルディージャ)では、前線の選手がPKを取ったら、前線の選手が蹴るというルールなので、どうしても蹴ることはないんですけどね。コツはあまりないです。練習した通り、考えすぎず思い切って蹴っています」と明かした。

 また得点後の“ヒロアカ(僕のヒーローアカデミア)”パフォーマンス、そして現地メディアの取材で「ワンピースやドラゴンボールだけではなく、日本にはもっと面白いアニメがたくさんある!」と熱弁を振るう映像も話題となっている。その反響は今も続いているようで「いや、ひどいですよ(笑)。サッカー以上にアニメのことばかり聞かれる(笑)」と市原。「日本の文化を広められるのは嬉しいですし、これをきっかけに日本サッカーのことも知ってもらえたらいいんじゃないかなと思っています」と続けた。

 所属する大宮はJ2昇格争いの真っ只中。宮沢悠生新監督のもと、昇格を争うライバルのジュビロ磐田ベガルタ仙台に連勝し、新体制で最高のスタートを切った。やはりチームの様子は気になるようで「俺がいなくなってから勝ち始めたので、複雑な気持ちではありますね(笑)」と冗談交じりにコメントしつつ、「昨日もなんかいろいろありましたけど(※大宮のPK失敗や仙台の退場など)勝つことが大事だと思います」と語った。

取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)


【現地メディア映像】日本のアニメについて熱弁する市原吏音

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