日本代表は9日、キリンチャレンジカップ2025のパラグアイ代表戦に向け、会場の『パナソニックスタジアム吹田』にて公式会見を実施。日本代表を率いる森保一監督が、日本サッカーカレンダーに対し、提言をする場面があった。


 日本代表の招集メンバーが決定した後の今月5日、DF板倉滉(アヤックス/オランダ)が負傷離脱となり、DF橋岡大樹(スラヴィア・プラハ/チェコ)を追加招集。その翌日にキャプテンのMF遠藤航(リヴァプール/イングランド)が負傷のため不参加となったが、追加招集は行われていない。最終的に、10月シリーズは26名でパラグアイ代表、ブラジル代表との南米勢ホーム2連戦に臨むことになった。

 遠藤の不参加に伴う追加招集について、森保監督は「活動のギリギリまで考えていました」と明かし、「活動が始まって欧州から来てもらうということは、本人にとっても負担になります。チームとしても既に26名のメンバーが揃っていた中で、この人数で良い」という決断に至った。

 一方で、森保監督は「国内からの招集も考えました」というが、「4チームではありますが、現在はルヴァンカップという公式戦をやっています。火曜日の段階(※遠藤の負傷離脱が公式発表された翌日)で来てもらいたい、招集したいと思える選手はいましたが、タイトルが懸かる公式戦の準決勝という戦いの準備の中から呼ぶことは良くないと思い、招集しませんでした」と説明。現在、2025JリーグYBCルヴァンカップはプライムラウンドの準決勝まで進んでおり、今月8日と12日に、第1戦と第2戦が行われるスケジュールとなっている。川崎フロンターレ柏レイソル横浜FCサンフレッチェ広島の4チームが、タイトルを懸けて熾烈な争いを繰り広げているが、森保監督は対象のチームにとって非常に重要な1週間であることを認識し、追加招集に踏み切らなかったとの背景を明かした。

 同時に、日本代表指揮官として、日本サッカーカレンダーに対して、次のような提言も行った。

「JFA、Jリーグの方々は、選手ファースト、日本サッカーの発展のため、いろいろなことを考えて日程調整をしてくださっていますが、日本代表の活動と、Jリーグと同等の戦いが重なる場所はほとんどないと思いますし、サッカー主要国に関しては、まずありえません。シーズン移行でまた日程は変わってくると思いますが、選手の招集に関しては、IW(インターナショナルマッチウィーク)の時に選手を呼べる未来につながっていければいいと思います」

「JFAだけのメリットだけではなく、基本J1の選手から招集するということで話してきていますが、公式戦を戦う中で代表に来てくれる選手は、覚悟を持ってきてくれていますが、自チームの状況もあって、後ろ髪を引かれる思いがあったりだとか、全集中をして戦わないといけない中、集中しきれないところも出てくると思います。
今後、選手ファーストと考えて、選手が思い切って活動できるように、日本サッカーの環境も変わっていってくれるとありがたいと思っています」
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