イングランド代表を率いるトーマス・トゥヘル監督が、バルセロナに所属するFWマーカス・ラッシュフォードについて言及した。13日、イギリスメディア『BBC』がコメントを伝えている。


 トゥヘル監督率いるイングランド代表はFIFAワールドカップ26欧州予選で5戦全勝13得点無失点という盤石の戦いを見せ、グループKの首位を快走中。現地時間14日に行われるラトビア戦に勝利すれば、他会場の結果を待たずして8大会連続17回目の本大会出場が確定する。

 現在のイングランド代表は世界屈指のタレント力を誇ると言っても過言ではない。歴代最多得点記録を更新中のハリー・ケイン(バイエルン/ドイツ)を筆頭に数多くの実力者が名を連ね、今月の2連戦に臨むメンバーからは負傷を抱えるコール・パーマー(チェルシー)をはじめ、フィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)やジュード・ベリンガム(レアル・マドリード/スペイン)、ジャック・グリーリッシュ(エヴァートン)らが外れた。

 今夏にマンチェスター・ユナイテッドを去り、新天地バルセロナで輝きを取り戻しつつあるラッシュフォードも決して“当確”と言える存在ではなく、今年3月まで1年近く代表を離れていたほか、6月のインターナショナルマッチウィークでは選外だった。イングランド代表のワールドカップ本大会出場が確定すれば、待ち受けているのは熾烈なメンバー争い。代表とクラブ双方で安定したパフォーマンスを続けることは必須だ。

 トゥヘル監督は「彼は世界最高の選手の一人になれる可能性がある。トレーニングで見てきたフィニッシュ力やクオリティー、両足と頭を使ったプレー、爆発力、スピード、空中戦の強さなどを考えると、彼に限界はない」とラッシュフォードの才能を絶賛しつつ、さらなる活躍への期待を次のように語っている。

「しかし、数字だけではポテンシャルを十分に発揮できているとは言い難い。彼はゴールに絡むことで自分自身をプッシュする必要がある。彼はそのことを私から学んでいる。
重要なのは自分を限界まで追い込み続けることだ。彼にとっての限界はおそらく他の選手よりも高いだろう」

「彼にはポテンシャルがある。しかし、ポテンシャルという言葉はハイレベルなスポーツにおいて危険な言葉だ。常に自らのベストを更新する必要があるし、このレベルではそれが求められる。才能の問題ではなく、彼にとっての挑戦だ。問題はクラブレベルでも代表レベルでも実力を証明できるかどうかだ。彼が先発出場するにせよ、ベンチから出場するにせよ、常に自分の実力を証明し続けなければならない」

 現地時間9日に行われたウェールズ代表との親善試合ではゴールに絡むことができなかったラッシュフォード。ワールドカップ出場がかかった大一番で結果を残し、トゥヘル監督に自身の価値をアピールすることができるだろうか。
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