スペイン代表を率いるルイス・デ・ラ・フエンテ監督が、選手の酷使をめぐって批判を浴びていることについて心境を語った。13日、スペイン紙『アス』が伝えている。


 10月の代表ウィークでも、FIFAワールドカップ26欧州予選の2試合に臨んでいるスペイン代表は、11日のジョージア戦に2-0と勝利しており、開幕3連勝発進と順調な滑り出しを見せている。その一方で、3日のメンバー発表以降、FWラミン・ヤマル、MFロドリ、CBディーン・ハウセン、MFダニ・オルモ、そしてFWフェラン・トーレスの5選手が負傷のため辞退ならびに離脱。こうした状況から、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督に対しては、またしても選手を酷使しているという批判が浴びせられている。

 そうしたなかで、14日のブルガリア戦に向けた前日会見に出席したデ・ラ・フエンテ監督。辞退や離脱が相次いでいることと、それに伴う批判について問われた同指揮官は、「我々は長い間、選手たちのコンディション管理に取り組んできている。だけど、いくつかの予期せぬ状況が発生したことで、一部の選手を離脱させる判断を下さざるを得なくなった」とした上で、「リーグ戦でも、毎節選手が負傷しているね。にもかかわらず、代表で選手が負傷すると、なぜ、より厳しい批判が浴びせられるのかがわからない。これがフットボールの現状だよ」と不当な扱いを受けていると嘆いた。

 さらに、デ・ラ・フエンテ監督は「クラブへの復帰を優先する選手がいるか? いいえ、まったくそうは思わない。我々が選手を招集しなかったときの、本人や所属クラブの反応を見れば明らかだ。選手たちは、このチームに招集されることが、選手としてのクオリティ向上につながることを知っている。それにここに呼ばれれば、彼らの価値も倍増する。
ケガや不調は別の問題だし、疑わしい場合は常に選手のコンディションを優先してきた」と選手たちに無理強いをさせていないことを強調した。

 また、右膝の手術に踏み切り、当面の間、戦線離脱となるMFガビについての話題も上がった。明日のブルガリア戦が行われる会場は、約2年前に同選手が右膝前十字じん帯断裂の大ケガを負ったピッチでもあり、それを端緒に指揮官自身も選手酷使をめぐった論争に巻き込まれたわけだが、「彼がそれを乗り越えたのだから、私も笑顔を取り戻すことができたよ」とした上で、「ケガは、スポーツに付いてまわるもの。彼はチームにとっても、そして私にとっても非常に重要な存在だったから、あの瞬間はとても辛かった。だけど、それは気分を良くするための試練でもある。苦しみこそが、人生とスポーツの一部なのだから。きっとまた、ガビは我々のもとに戻ってくるだろう」と復帰を心待ちにしていることを口にした。

 なお、目下公式戦28試合無敗のスペイン代表は、このブルガリア戦に負けなければ、ビセンテ・デル・ボスケ監督時代のチームが記録した、同国における公式戦最長無敗記録に並ぶこととなる。
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