テゲバジャーロ宮崎は17日、故・工藤壮人氏を偲んで脳震盪ゼロを目指すべく『TEAM 9 プロジェクト』を始動することをクラブ公式サイト上で発表した。

 柏レイソルサンフレッチェ広島、日本代表でも活躍した工藤氏は、宮崎に所属していた2022年10月2日、練習時間外に体調不良を訴えて医療機関を受診した。
水頭症との診断を受けて同月11日に手術を行ったが、容態が悪化し17日から集中治療室(ICU)に。21日の14時50分、入院先の病院で32歳の若さで逝去した。

 宮崎のクラブ公式サイトは「テゲバジャーロ宮崎ファミリーの皆様、おはようございます。当クラブは、故・工藤壮人選手、ご家族、ファミリーの皆様の想いを未来につなぐため、頭部外傷や脳震盪への安全啓発を目的とした『TEAM 9 プロジェクト』を立ち上げることといたしましたので、ご報告いたします。本プロジェクトは、工藤選手の背番号『9』を冠し、スポーツに関わる人々の安全を守る活動のひとつとして展開してまいります」と発表。次のようにプロジェクトの詳細を説明した。

1.プロジェクトの背景
2022年に逝去された工藤壮人選手は、日本代表として活躍し、また、当クラブはもちろん、所属したクラブをはじめ日本フットボール界に大きな貢献をされた選手であり、その存在は今も私たちの心に刻まれています。スポーツ現場での脳震盪や頭部外傷は重大なリスクであり、クラブとしても選手を守る体制を強化する必要があります。

また、クラブでは工藤選手のご家族を支援するために「ありがとう工藤壮人の会」基金を設立し、多くの皆様から温かいご支援をいただいております。工藤選手はサッカー界に大きな足跡を残すとともに、家族思いで、人々から深く愛された選手でした。今後もクラブとして、工藤選手のご家族への支援を続けながら、その想いを未来へとつなげてまいります。

2.具体的取り組み
・宮崎県内のスポーツ施設に頭部固定具付きスパインボードを寄贈
・寄贈備品へ「TEAM 9」マークを貼付し、頭部外傷ゼロを目指す啓発を実施

3.マークのデザインについて
「TEAM 9」マークは、工藤選手の背番号にちなんで制作されたもので、シンプルかつ力強い意匠となっています。
ご家族が素案をお考えになり、ZOZOのデザイナー様に仕上げていただきました。

4.クラブの姿勢
私たちは「工藤選手の想いを今に」という強い想いのもと、本プロジェクトを推進し、宮崎から全国へ安全文化を発信してまいります。工藤選手の想いを胸に、スポーツに関わるすべての人が安心してプレーできる未来を願います。
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