試合は序盤の5分、カールの芸術的な一撃でゴールショーの幕が上がる。敵陣中央でドイツ代表DFヨナタン・ターからの縦パスを受けると、複数名の相手選手に囲まれながら、巧みなタッチで前を向き、ドリブルを開始。ペナルティエリア手前から左足を振り抜くと、鮮やかな一撃がゴールネットを揺らした。
カールのスーパーゴールで先手を取ったバイエルンは、続く14分にオーストリア代表MFコンラート・ライマーからの折り返しをケインが押し込んでリードを広げる。34分にはライマーからのパスを受けたコロンビア代表FWルイス・ディアスが強烈な右足シュートを突き刺してリードを広げると、79分にはセネガル代表FWニコラス・ジャクソンにもゴールが生まれ、試合は4-0でタイムアップ。バイエルンがCLで3連勝を飾るとともに、今季公式戦12戦目にして未だ全勝を維持した。
試合後、カールは「本当に素晴らしい気分だ」と素直な心境を告白。「今日の試合でスタメンに入ることを知った時、『もし自分がPOTMに選ばれたらどんな気分なのだろう』と想像していた。それが現実になったんだから、気分は最高さ」と、事前に思い描いていたイメージ通りの試合となったことを明かした。
カールは2008年2月生まれの現在17歳ながら、今夏に行われたFIFAクラブワールドカップ2025でトップチームデビューを飾ると、2025-26シーズンも継続的な出場機会を確保している。今季はここまでトップチームで3試合に先発出場、6試合に途中出場しており、CLの舞台でトップチーム初ゴールも奪ってみせた。「確かに順調なのかもしれないが、やるべきことは山ほどあるんだ」と明かしたカールは、次のような言葉で、さらなる成長を誓いつつ、ここまでの好スタートに喜びを露わにした。
「誰しも、常に弱みを克服しつつ、強みに磨きをかけなければならない。僕もそうするつもりだ。ただし、U-17、U-19、そしてトップチームにまで辿り着き、今やCLで初先発も飾ることができた。これは素直に嬉しいことだし、ここまでの成長を喜ぼうと思う」
また、記念すべき自らの初ゴールについては、「攻撃的ミッドフィルダーとして良いポジションを取れたことが大きかった。ボールを受けて、最初のタッチは完璧だった。そこから自分のリズムに乗ることができたんだ。相手選手をかわすためのワンフェイントもうまくいったし、それでシュートチャンスが生まれた」と振り返る。「GKが止められるシュートだったのかどうかは覚えていないけど、自分の中で感触は良かったよ」と口にした。
バイエルンは次節のCLで、11月4日に昨季王者のパリ・サンジェルマン(PSG)の本拠地に乗り込む。
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