クリスタル・パレスを率いるオリヴァー・グラスナー監督が、リヴァプールを下したカラバオカップ4回戦について言及した。30日、イギリス紙『ミラー』がコメントを伝えている。


 現地時間29日に行われたカラバオカップ4回戦で敵地『アンフィールド』に乗り込んだクリスタル・パレス。序盤こそいくつかピンチを迎えたものの、41分に鎌田大地の縦パスを起点にイスマイラ・サールが先制ゴールを奪うと、4分後には鎌田も絡んだ見事な連携から再びサールがネットを揺らす。88分にはショートカウンターからジェレミ・ピノが見事なコントロールシュートを沈め、3-0の快勝で準々決勝へ駒を進めた。

 この試合で注目を集めたのがリヴァプールを率いるアルネ・スロット監督のメンバー選考だ。直近のプレミアリーグ第9節ブレントフォード戦からスタメンを10名入れ替えて、ジョー・ゴメスや遠藤航などここまで出番の限られていた選手を先発起用。フィルジル・ファン・ダイクやドミニク・ソボスライ、モハメド・サラーらは控えにすら入らず、ベンチには10代の選手が多く並んだ。

 試合後、スロット監督は「夏に多額の資金を使ったことばかりが注目されているが、実際のところ、我々は人々が思っているほど厚い選手層ではない。前回のサウサンプトン戦ではジョヴァンニ・レオーニが負傷し、ウーゴ・エキティケが退場した。重要な一週間が迫っている今、そうした事態は避けたい」と大胆なターンオーバーを敢行した理由を説明。しかし、3失点での完敗を喫したこともあり、現地ではメンバー選考への批判も噴出している。

 かつてリヴァプールで活躍したジェイミー・レドナップ氏は「完全に間違ったチームだった。『強力なクリスタル・パレス相手に勝てる』と思って今日のメンバーと控えを選んだなんてあり得ない。
私は一瞬たりとも勝てると思わなかった」とスロット監督を痛烈に批判している。

 こうした声が挙がっていることについてグラスナー監督は「スロット監督の決断を見てきたが、(リヴァプールが弱いチームだったと言うのは)選手全員に対して失礼だ」と前置きしつつ、次のように自論を展開した。

「ジョー・ゴメスがリヴァプールでプレミアリーグとチャンピオンズリーグを制覇したのを見てきた。遠藤航が日本代表で多くの試合に出場するのを見てきた。アルゼンチン代表でワールドカップを制覇したアレクシス・マック・アリスター、4000万ポンド(約81億円)で移籍したミロシュ・ケルケズ、イタリア代表でプレーしたフェデリコ・キエーザを見てきた。リヴァプールのエンブレムを背負っている選手は皆、質の高い選手だ」

 リヴァプールは現地時間11月1日のプレミアリーグ第10節でアストン・ヴィラと対戦する。主力を休ませたカラバオカップで敗退したことを踏まえると、この試合で結果を残せなければスロット監督への風当たりはますます強くなるかもしれない。


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