現在22歳のエリオットはフルアムの下部組織出身で、2019年5月に当時のプレミアリーグ最年少となる16歳30日でトップチームデビューを飾り、2019年7月にリヴァプールに加入。ブラックバーンへの期限付き移籍を経て、2020-21シーズンにトップチームへ復帰した。2023-24シーズンまでは2シーズン連続プレミアリーグで30試合以上に出場するなど、ユルゲン・クロップ前監督の下では主力選手の1人として起用されていた。
しかし、アルネ・スロット監督が就任した2024-25シーズンは序盤にU-21イングランド代表で足を骨折してしまい、約3カ月の離脱を余儀なくされると、チームが好調だったこともあり、復帰した後もあまり出場機会を得ることができず。最終的にプレミアリーグで先発出場を果たしたのは、優勝を決めた後の2試合のみにとどまるなど、リーグ戦の出場は360分間のみとなり、公式戦でも28試合(スタメンは6試合)出場で5ゴール3アシストを記録するにとどまった。
今夏の移籍市場ではリヴァプールが大型補強に動いたことも影響し、出場機会を求めて移籍市場閉幕間際にアストン・ヴィラに買い取り義務付きのレンタル移籍を果たした。しかし、プレミアリーグで3位に位置するなどチームが好調なのと一転して、エリオットの出場機会は公式戦5試合にとどまっており、リーグ戦では出場できない所属元リヴァプールとの試合も含めて7試合連続でベンチ外が続いている。
ただ、これにはアストン・ヴィラに加入した際の契約の条項が影響していると見られており、買い取り義務付きのレンタル移籍となったが、この買い取り義務には発動する条件がある模様で、プレミアリーグで10試合に出場した場合に3500万ポンド(約73億円)で買い取ることが報じられている。
これにより、この条項が発動されないようにするためにエリオットの出場機会が限られていることも噂されているなか、同選手の状況について聞かれたエメリ監督は「彼とは状況について話し合っている。彼はここにはいない」と11日に行われるヨーロッパリーグ(EL)・リーグフェーズ第6節のバーゼル戦も欠場することを明らかにしながら、次のように説明した。
「まず、私の決断であるが、状況もある。彼はレンタル移籍で私たちのクラブに所属しているが、完全移籍で加わるかは確定していない。
なお、アストン・ヴィラに加入する前にすでに所属元のリヴァプールで公式戦に出場していたエリオットは、1シーズンに2クラブ以上でプレーすることがFIFA(国際サッカー連盟)によって禁止されているため、他クラブに移籍することはできず、今季はアストン・ヴィラでプレーを続けるか、リヴァプールに戻るしか選択肢がない状況となってしまっているが、果たして解決策は見つかるのだろうか。

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