サンパウロに所属する元ブラジル代表MFオスカルが、現役を引退することを決断したようだ。12日、ブラジル版『ESPN』が伝えている。


 現在34歳のオスカルはサンパウロの下部組織出身で、2008年8月にトップチームデビューを果たし、公式戦通算14試合に出場した。2010年6月にインテルナシオナルに移籍後、2012年7月にはチェルシーに移籍。2度のプレミアリーグ制覇やヨーロッパリーグ(EL)制覇などに貢献した。

 その後、当時25歳の2017年1月に6000万ポンド(約125億円)と報じられた移籍金で上海海港(元:上海上港)に驚きの移籍を果たすと、そこから8年在籍し、公式戦通算248試合出場で77ゴール141アシストを記録。中国スーパーリーグで3度優勝したほか、中国スーパーカップや中国FAカップなどのタイトルも獲得した。

 そして、2024年限りで契約満了を迎えたオスカルは古巣のサンパウロに14年ぶりに復帰し、公式戦21試合出場で2ゴール5アシストを記録していた。

 しかし、11月11日にプレシーズンの定期フィットネステストの一環としてエアロバイクに乗っていた際に体調が悪化し、一時的に意識を喪失。現場での処置を経て即座に病院へ搬送され、5日間の入院を余儀なくされていた。その後、サンパウロはオスカルが退院したことともに、検査の結果、血圧と心拍数の低下によって引き起こされる一時的な意識喪失となる血管迷走神経性失神を起こしていたことを明らかにしていた。

 当初、ブラジルメディア『グローボ』などでは、オスカルが抱えている問題は生命を脅かすものではなく、投薬治療も可能で、順調にいけば現役続行も可能と見られていたが、失神した当日は50秒間脈拍がなかったとも報じられており、同選手は家族と今後の方針について相談することになっていた。

 そうしたなか、今回の報道によると、オスカルは健康上の懸念があることから、親しい友人たちにプロアスリートを引退することを告げたという。今後は、サンパウロと面会する予定で、クラブとしては2027年末まで契約が残っていることもあり、同選手をクラブに招き入れ、裏方として活動させる計画も検討していることが伝えられている。

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