15日に「Jリーグオールスター開催発表記者会見」が開催された。冒頭、野々村チェアマンはJリーグの33年間の歩みについて触れ「10クラブで約300億円規模だったリーグは、今や60クラブ、事業規模2000億円にまで成長。観客動員数も過去最高を記録するなど、その発展は目覚ましいものがある」と語った。
「日本サッカー、Jリーグが33年かけて地道に努力してきて、ようやく世界と戦う準備ができたかなと思ってます」。その言葉には、確かな手応えが滲んでいる。しかし、この発展は決して1人歩きしてきたものではない。33年間にわたる選手、監督、パートナー、自治体、そしてファン・サポーターの尽力があったからこそ、今のスタートラインに立てている。だからこそ、2026年のシーズンは特別な意味を持つ。2月から始まる「明治安田Jリーグ百年構想リーグ」を通じて、これまでの歩みを支えてくれたすべての人々への感謝を、年間を通して伝えていきたいと野々村チェアマンは力を込めた。
「JリーグオールスターPROJECT」と題された今回のプロジェクトは、6月13日にMUFGスタジアム(国立競技場)で行われる「JリーグオールスターDAZNカップ」がクライマックスとなる。
「明治安田Jリーグ百年構想リーグ」が開幕する2月から様々なオールスター企画を実施。出場選手のファン・サポーター投票は2月から始まり、多くのイベントが展開されていく。そしてクライマックスとなる6月13日は、試合だけでなく、選手との交流イベントやアーティストライブなども含めた「フェスのような1日」を目指すとのこと。これまでJリーグに関わってきた人々はもちろん、これから新たに関心を持つ人々にとっても、忘れられない特別な体験となりそうだ。
また、大会方式も、これまでのオールスターとは一線を画す。百年構想リーグで分けられる6つの地域リーグ(J1は2つ、J2・J3は4つ)からそれぞれオールスターチームを編成し、1試合30分のワンデートーナメントで優勝を争う。J2・J3のEAST-AとB、WEST-AとBが対戦。勝者が、それぞれJ1のEAST、WESTと対戦し、勝者が決勝を戦うこととなる。
出場選手は、前述の通りファン投票と各リーグのベストイレブンを中心に選出。特筆すべきは、J1だけでなくJ2、J3の選手も対象となる点であり、この画期的な試みには、選手会も全面協力。ビデオメッセージを寄せた日本プロサッカー選手会会長で元日本代表キャプテンの吉田麻也は「当時自分が所属していたアカデミーのトップチームの選手、そして各チームのエースの選手たちが共にプレイするのを見てとても興奮したのを覚えています」と、自身の原体験を振り返りながら期待を語った。
また、会見に登壇した選手会副会長の戸嶋祥郎(柏レイソル)も、「従来のオールスターと1番の違いはそこにある」と、J2・J3の選手も出場できる点にあると断言。「次の大会は全選手がチャンスがあるっていうのが、すごいモチベーション。皆さんがこの大会に向けて頑張る、そういう半年シーズンになるんじゃないかな」と、「明治安田Jリーグ百年構想リーグ」への選手たちの高揚感を代弁した。カテゴリーの垣根を越えた夢の競演が、リーグ全体の競争をさらに激しく、面白くしていくことになりそうだ。
なお、この歴史的な大会のタイトルパートナーを務めるのは「DAZN」。DAZN JAPANの笹本裕CEOは、Jリーグとの10年間のパートナーシップを振り返りながら、来シーズンへの意気込みを語りった。2026年は「DAZN」が全試合配信する「FIFAワールドカップ26」も開催される特別な年。「より日本から海外、海外から日本へとサッカーが盛り上がっていく、そんな1年になろうかと思っています」と笹本CEOは述べ、「DAZN」としても視聴体験、応援体験、そしてファン投票という「参加する体験」を充実させていくことを約束した。
33年の感謝を未来への力に変える「Jリーグオールスター」。選手やファン・サポーターだけでなく、Jリーグに関わるすべての人々が主役となる、新たな時代の幕開けを告げる祝祭となるだろう。

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