マンチェスター・ユナイテッドのルベン・アモリム監督が、クラブを取り巻く行き過ぎた権利意識を批判した。現地時間19日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。


 長年にわたる低迷にあえいできたマンチェスター・Uは、今季も不安定な戦いを続けている。プレミアリーグでは6位につけているものの、バランスを欠く試合運びで勝ち点を落とすこともしばしば。同15日に行われたプレミアリーグ第16節のボーンマス戦(△ 4-4)は今季のアンバランスさを象徴するような戦いだった。

 成績が安定しないことで、指揮官と選手の関係性についても様々な指摘がなされるようになっている。イングランド代表MFコビー・メイヌーはアモリム監督の下で先発の機会を減らしており、同選手の異母兄弟は「コビー・メイヌーを解放せよ」と書かれたTシャツを着て抗議した。クラブのレジェンドである元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏や同MFニッキー・バット氏、同MFポール・スコールズ氏は、メイヌーの退団を支持するコメントを残している。また、U-20デンマーク代表FWチド・オビとU-19イングランド代表DFハリー・アマスはアモリム監督からプレー内容の不出来を示唆された後、自らの成果を強調した写真をSNS上に投稿し、その後削除した。なお、アマスは今年9月にシェフィールド・ウェンズデイにローン移籍している。

『BBC』によると、アモリム監督は選手やその身内が問題行動を起こした時、クラブ内外の圧力で選手を退団の方向に持っていくアプローチについて疑問を感じている模様だ。同19日の記者会見で、アモリム監督は「このクラブには権利意識がある」と語り、次のように続けた。

「困難な時期というのは、若手選手たちにとって悪いことばかりではないんだ。我々は全てのことにおいて常に称賛されなければいけないわけではない」

「最近は、選手たちが自分たちに権利があると感じて、クラブに反対する発言をするね。
そして、クラブの伝説的な選手たちが『プレーしないなら出て行け。間違いを犯しているのだから』と言うんだ」

 メイヌーは20歳、オビとアマスは18歳とまだ若い。アモリム監督は、若さゆえの過ちを犯した選手たちを早々にクラブから追い出そうとする周囲の姿勢を批判。「ここに留まって戦おう。乗り越えよう。私のオフィスのドアはいつだって開いているのだから。それ(対話)が問題を解決できる方法なんだ」と訴えかける一方で「しかし、誰も私に話しかけてこないけどね」と現状を憂いた。
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