チュリウルディンの再建は、48歳のイタリア系アメリカ人指揮官に託された。今シーズンにセルヒオ・フランシスコ氏を新監督に据えたものの、ラ・リーガ第16節ジローナ戦後に、成績不振により解任を決断したレアル・ソシエダ。過渡期にあたるこの1年を、育成年代の指導に長ける同氏の下で乗り切ろうとした目論見が外れると、後任として招へいしたのが、かつてユリアン・ナーゲルスマン氏のアシストタントコーチを務め、シュトゥットガルトやホッフェンハイムで指揮を取った、ブンデスリーグで実績十分のペッレグリーノ・マタラッツォ氏だった。
そんななかで22日、就任会見に出席したマタラッツォ新監督は「ラ・レアルの監督に就任できることをとても光栄に思う」と始め、「このクラブの価値観、アイデンティティ、フットボールに対する情熱に、最初から非常に強い結びつきを感じた」と告白。続けて「ホキン(・アペリバイ会長)とエリック(・ブレトスSD)、そしてクラブのみんなからの信頼に感謝している。これまで積み重ねてきた功績に深い敬意を払い、これから一緒に成し遂げていけることが楽しみだ。レアル・ソシエダとこの旅を始められることをとても嬉しく思っている」と胸中を明かした。
第17節終了時点で、降格圏との差が『2』の16位に低迷するレアル・ソシエダ。まずは残留争いからの脱出が目標となるなか、「まず第一に、とても素晴らしいクラブだと言える。レアル・ソシエダはドイツ国内でも、その確固たるアイデンティティと価値観で知られている。カンテラへの投資を惜しまず、カンテラーノを積極的にチームに組み込む勇気を持つ、他とは一線を画すクラブだ」とした上で、「このチームは大きな可能性を秘めている。だからこそ、より良いパフォーマンスを発揮する必要がある。
また、これまで『4バック』がメインだったレアル・ソシエダに対して、マタラッツォ新監督は『3バック』を得意としているわけだが、同指揮官はシステム面について「重要なのは、目の前の状況に適応すること。私は今、レアル・ソシエダにいて、そこでの仕事はピッチ上で最適なフォーメーションを見つけ、最適なスタメンを揃え、チームとして連携すること。システムにこだわるのではなく、ピッチ上でのアプローチを変えるべき」と強調。さらに、「今日は個々の選手について話すつもりはない」としつつ、「成長するのは若手だけとは限らないよ。ベテラン選手だって、パフォーマンスを向上させることができる。それに、サンセ(Bチーム)には才能のある、クラブのアイデンティティの一部となる選手たちがいる。私は、各選手とタッグを組み、それぞれの能力を最大限に引き出す準備はできているんだ」と自信を覗かせている。
初陣は、来月4日の第18節アトレティコ・マドリード戦。マタラッツォ新監督の下で、レアル・ソシエダはどのように生まれ変わるのだろうか。

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