高い位置からのボールカットで先制点、正確なセットプレーのキッカーとして貴重な2点目をそれぞれアシストした徳島市立MF逢坂翔雅(3年)は、「(緊張は)ありましたけど、するのは前日からわかっていて、朝起きてからずっと、音楽を聴きながら、周りのことが聞こえないくらいにして、いつの間にか(会場に)着いているみたいな、集中することだけを意識していたら、あまり緊張せずにいけました」と、「大舞台は苦手。学校でもしゃべらないタイプ」と言いつつも、国立競技場での開幕戦でも技術を発揮できた要因を語る。
アタッカーでのポジションを基本としていた逢坂だが、この日はチームが3バックを採用したこともあってダブルボランチの一角としてピッチへ。高い技術力でチャンスメイクをしながら、セカンドボールの回収などにも汗を流した。「とにかく走った」という夏を経て、「これ以上怖いものはないと自信」につながったプレーを見せた。
その中でも持ち味は技術。憧れの選手にガンバ大阪FW宇佐美貴史を挙げて、ボールタッチなどの動画をたくさん見てきたという逢坂は、「去年の夏のインターハイでメンバーから外れて、どん底に落ちて。そこから這い上がらないといけないという感じで毎日朝やっていました」という、学校が始まる前の“1日15分の毎日の自主朝練”がさらに磨きをかけ、それがさらなる自信になったようで、「ボールタッチやシュート練習をして。15分ですけど、4日で1時間になるし、毎日続けています。努力してきたと自分でもわかっていたし、今日の落ち着きにつながったと思います。悔しい思いから最初は一人でやっていましたけど、後輩もどんどんついてきてくれて、今では5、6人でやっています。プリンスリーグでも残留がかかる中で、僕が中心として勝てた自信もありましたし、こういったときに絶対つながってくるとわかっていたので、練習して、つながってよかったです」と、成果の賜物だと胸を張った。
徳島県美馬市出身という逢坂。学校の近くに兄とともに引っ越して生活しているそうで、「お兄ちゃんがちょうど美馬から徳島に移るところだったので、2人で借りて生活していました。自炊する時もありますけど、だいたいお兄ちゃんがしてくれました。感謝です。サッカーもしていたので、ずっと1対1も。デカくて、ディフェンスをやっていたので、そういった相手への技術やタイミングはお兄ちゃんから」と謝意を口にし、「(地元愛も)あります。(試合が)始まる前もずっと携帯が鳴りやまないくらいきていて。先生とか恩師とか。集中するためにあまり返していないですけど、それくらい注目されていたし、徳島県出身だし、僕が頑張らないと。かつ、僕が際立っていいプレーをして勝たないと、という気持ちはあったし、形に出て良かったと思っています」と、徳島県を代表して勝利を手にできたことを喜んでいる。
【ゴール動画】徳島市立、スーパーボレー炸裂

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