アルビレックス新潟は31日、FW谷口海斗が海外クラブへの移籍を前提とした手続きと準備のため、チームを離脱したことを発表した。谷口の今後については、正式決定後、新潟より改めて伝えられる。


 谷口は1995年9月7日生まれの現在30歳。四日市中央工高校、岐阜経済大学を経て、2018年にいわてグルージャ盛岡でプロキャリアをスタートさせた。2020年にはロアッソ熊本へ加入し、18ゴールを挙げてJ3リーグの得点王を受賞。翌年、当時J2を戦っていた新潟へのステップアップを果たした。

 加入初年度からリーグ戦で13得点とその能力を遺憾なく発揮し、加入2年目には新潟を6年ぶりとなるJ1復帰へ導いた。昨季は2024明治安田J1リーグで10得点を挙げ、自身初のJ1二桁得点を記録しただけでなく、新潟にとって史上初となるJリーグYBCルヴァンカップの決勝進出にも貢献。2025明治安田J1リーグでは28試合出場2ゴールを記録していた。

 新潟は2025明治安田J1リーグを最下位の20位で終え、無念のJ2降格が決定。明治安田J2・J3百年構想リーグを戦った後、移行後の2026-27シーズンはJ2での戦いに身を置くことが決まっている。このような状況のなか、新潟を離れることを決断した谷口は、クラブを通して次のように思いを明かし、ピッチ外での自らの活動にも触れながら、ファン・サポーターへ感謝の言葉を残した。

「このたび、海外クラブへの挑戦のため、アルビレックス新潟を離れる決断をいたしました。新潟で過ごした5年間は、まさに日々努力を積み重ねる『耕耘不輟』の時間でした。
簡単な道のりではありませんでしたが、ビッグスワンでの地鳴りのような声援、そしてクラブに関わるすべての方々の支えが、常に自分を前へと導いてくれました」

「今シーズン、チームをJ2に降格させてしまったことに、強い責任を感じています。個人としてもなかなか結果を出せず、苦しい時期が続きました。来シーズンも新潟の選手として戦い、再びJ1へ昇格させる力になりたいという想いもありましたが、一度きりのサッカー人生において、かねてからの夢であった海外への挑戦に対し、今このタイミングで退路を絶って挑戦したいという気持ちを抑えることはできませんでした」

「半ばクラブに乗せられる形で始めた『谷口農園』でしたが、ピッチ外の自分をサポーターの皆さんに知ってもらったり、地域の方々と直接繋がることができたりと、自分自身が本当に楽しく取り組むことができました。この活動が、少しでも新潟への貢献になっていたのであれば嬉しいです。一人のサッカー選手として、地域と関わることの大切さを身をもって感じました。これから新潟で戦う選手たちにも、どんな形であれ地域を大切に、積極的に活動してほしいと願っています」

「最後になりますが、アルビレックス新潟での経験すべてを糧に、海外で結果を残し、皆さんにいい報告ができるよう全力を尽くしてきます。5年間、本当にありがとうございました」
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