昇降格がない半年間という異例の特別大会を迎える中、チーム編成としては人数を絞り、若返りを図った大宮。ウェバー氏は「究極的にはレッドブル・サッカーから来た考え方ですが、私や宮沢監督が持っているバックグラウンドとも一致している」と、レッドブル・グループの意向もありつつも同じ考えを持っているとのこと。「私が以前いたクラブがプレミアリーグに昇格した際も、バックラインの3人はティーンエイジャーだった。もちろん、彼らを支える32歳のベテランGKやボランチといった経験豊かな選手の存在も不可欠だ。レッドブルは、似た志を持つ人間を集めるのが非常に上手な組織だと感じている」と、若手に振り切るわけでなく、チームとしてのバランスを考えているとした。
宮沢監督も若手に期待しながらも、「選手全員に『チャンスはプレゼントではない』ということを理解してほしい。人数が絞られたことで、アクシデントがあった際などに若手にチャンスが回りやすい環境ではあります。しかし、練習でアピールし、実力で勝ち取った選手だけが使われる。そうでないとグループの士気が下がります」と、最終的には実力がしっかりと伴っていることが重要だとした。
チームとしては9名の新加入選手がいる中で、補強については狙い通りにできているとウェバー氏。「移籍ウィンドウの前後でチームが強くなっていることが絶対条件ですが、良い選手を補強できたと確信している」と語りながら、「概ね狙っていた補強は達成できた。
そのウェバー氏は、日本人の若手選手のポテンシャルに大きな期待を寄せていると言及。「私は外国人としてここに来ましたが、おそらく日本で誰よりも日本のタレントの可能性を信じている」と語り、「高校やアカデミーの試合を見るたびに、その才能の多さに驚かされる」とし、大宮のアカデミー育ちで主軸として成長した結果、ヨーロッパへの移籍が近づいているDF市原吏音を例に挙げて語った。「市原選手に多くのクラブが関心を持つのは当然だ。 彼のストーリーが日本の少年少女に夢を与え、日本サッカー界がもっと若手を信頼し、羽ばたかせるきっかけになればと思っている。レッドブルの言葉を借りるなら、彼らに本当に『翼をさずけたい』。なぜなら、ここにはそれほど多くの才能(タレント)があるからだ」と、レッドブルのキャッチフレーズでもある『翼をさずける』を引き合いに出してコメント。さらに「欧州の同僚にも『日本には信じられないほどのタレントがいる』と伝えている。彼らが高い移籍金で海外へ行き、その資金がまた日本サッカーのインフラや育成に還元される。そういうサイクルを作ることが重要だ」と、レッドブル・グループとしての狙いを持った育成システムの構築をしていきたいと意気込みを語った。
さらに、Jリーグを見ても若手の起用に関して気になることがあるとのこと。「一番強く感じたのは、『若手選手を起用することへの消極性』だ。
取材・文=菅野剛史(サッカーキング編集部)

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