元日本代表FW大黒将志監督のJクラブ指揮官としての初陣は0-6の惨敗に終わった。

 相手は昨季のJ2で4位に終わり、プレーオフ決勝で敗れてJ1復帰を逃した徳島ヴォルティス
J3で9位に終わった奈良クラブにとっては、言わば格上だった。

 それでも、立ち上がりから果敢に立ち向かった。大黒監督が日本フットボールリーグ(JFL)のティアモ枚方でコーチを務めていた時代の教え子で、同クラブから期限付き移籍しているMF後藤卓磨や、FC大阪から新たに加わったFW佐藤諒らが前線で流動的に動いて好機を演出したが、15分にCKの流れから先制点を献上すると、前半だけで3失点。後半も徳島の強力FWを止められず、3点を奪われた。

 それでも、「チャンスがなかったわけではない。シュートもまあまあ打っていた。自分たちがやろうとした守備もまあまあできていた」と手応えを口にした大黒監督は「奪った後のパス、最後の決めきるところは課題だが、そこは練習で詰めていきたい。ここを出発点としてやっていきたい」と言葉に力を込めた。

 実際、シュート数も徳島の12本に対して、奈良は11本。点差ほどの開きはない。後半だけに限ると、徳島の4本に対し、奈良は8本と上回っている。

 Jリーグでの初めての指揮については、「どういう結果になろうと、僕は受け止めようと思っていた。
試合は楽しかった」と感想を話した大黒監督。その上で「負けたのは良くないし、0-6は全然ダメだけど、これで終わりじゃないし、ここからがスタートなので……。ここから成長していきたい。やっているサッカーは悪くなかった。そこを伸ばして、できなかったところを修正していきたい」と自らのサッカーを継続していく考えを示した。

 勝負強いストライカーとして鳴らしていた現役時代のイメージから、感覚派のように思われる大黒監督だが、プレーの組み立てや戦術の構築は極めて緻密で理論的。映像を時間をかけ、細かく分析することでも知られている。初陣の大敗もきっと、今後の糧にするはずだ。

取材・文=北川信行
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