北米で存在感を高め続けるメジャーリーグサッカー(MLS)が、現地時間21日に新シーズン開幕を迎える。

 1996年に開幕を迎えたMLSは今シーズンが30年目の節目。
夏には史上初となるアメリカ・カナダ・メキシコの3カ国共催でのFIFAワールドカップ2026が予定され、MLS創設後初となるW杯開催へ向け、準備が着々と進んでいる。

 記念すべきシーズンの開幕を前に、MLSのエグゼクティブ・バイス・プレジデントでチーフ・コミュニケーション・オフィサーのダン・コートマンシュ(Dan Courtemanche)氏がオンライン取材に対応。MLSの発展やこの先の展望について言及した。

 コートマンシュ氏は、MLS創設前から活動しており、リーグの立ち上げに関わった主要人物の1人。「北米サッカーリーグ(NASL)」の消滅の反省を活かし、1994年のアメリカ・ワールドカップ後の開幕を目指して動くこととなった。当時は10チームでスタートしたMLSだが、30年が経過した今季は東西合わせて30クラブが参戦する。実に3倍もの規模に成長したMLSについて、コートマンシュ氏は語る。「30年前、MLSが始まったのはアメリカをサッカー国にしたい。プロリーグが世界の選手たちを魅了し、子供たちを魅了し、リーグ自身が選手を育成できるものになるという夢を持ってスタートした」とコメント。「30年前は非常に楽観的ではあったが、30年後にサッカー専用スタジアムが30も建てられ、ここまでの進歩があるということは想像していなかった」と、長年支えてきたコートマンシュ氏も驚きの発展を遂げているようだ。

 そのMLSは、春に開幕して冬に終了するシーズンで行われてきたが、2027ー28シーズンからは夏春制に移行することが決定。Jリーグと同様にヨーロッパの主要リーグと同じシーズンへと移行する中で、移行期間の準備段階ではJリーグの様々な分析や情報が非常に参考になったとのこと。
「日本もアメリカと同様に地域によって非常に気候が異なっているが、Jリーグのプロフェッショナルな準備や情報によって良い準備を進められている」とコメント。移行の理由については「ポジティブに捉えている。移籍もそうであり、世界のトップリーグと同じシーズンになることはメリット。一番は、代表チームがシーズンがあった夏に国際大会が非常に多く開催されてきており、代表選手を欠くということがあったが、それが解消されることもポジティブに捉えている」と理由を明かした。

 今シーズンのMLSでは、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)や元ドイツ代表FWトーマス・ミュラー(バンクーバー・ホワイトキャップス)、韓国代表FWソン・フンミン(ロサンゼルスFC)などワールドクラスの選手たちがプレー。一方で、日本人選手も元日本代表DF吉田麻也やDF山根視来(ともにロサンゼルス・ギャラクシー)、GK高丘陽平(バンクーバー・ホワイトキャップス)など、過去最多の8名がプレーする。

 ただ、日本ではまだまだその認知は低く、大谷翔平らが活躍するMLBや八村塁らが活躍するNBAには劣っている状況。それでも、コートマンシュ氏は「日本は非常に重要な市場だと捉えています」とコメント。「5、6カ国ある中での1つ。サッカー人気が非常に高い国で、今回のような取材機会を活かしてより知ってもらいたいと思う。そして、アップルとも探っていきたい」と、日本を市場として重要視しており、試合を視聴できる『Apple TV』とも協力して広めていきたいと期待を口にした。MLS30年目の節目を迎える今、日本市場の開拓は次なる成長戦略の重要な柱となりそうだ。

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