「コリセウムは安堵の息をつく。
そんなアランバリのPKを解説するスペイン紙『アス』は、「サイドを選択する選手もいれば、ゴールキーパーの動きを待つ選手もいる」とした上で、「そして、マウロ・アランバリがいる。ウルグアイ人にとって、11メートル地点は駆け引きの場ではなく、実行の場なのだ。『ネットへのパス』が溢れる今日において、彼のPKは古き良き時代を彷彿とさせる。『ネットへのパス』を正確なシュートとするならば、彼の鋭く激しいシュートは、怒りに満ちたクリアだ。地対空ミサイルへと変貌を遂げるのだ」と形容。さらに、「彼のテクニックは、『出来るだけ強く蹴る』という非常に単純だが効果的なものである。なにせ、相手ゴールキーパーにとって、ボールのコースを読むことは仕事の一部にしか過ぎないのだから。
ただ、アランバリの真骨頂はPKの上手さだけではない。ウルグアイ代表としても通算12キャップを保持する30歳は、ボランチやセントラルミッドフィルダーを主戦場とする選手だ。しかしながら、なんと、ここまでリーグ戦5得点でチームトップスコアラーとなっている。それも、2年連続である。とくに、昨シーズンは10得点と2桁に乗せており、リーグワースト2位の総得点『34』だったことを踏まえると、3分の1近くをひとりで稼いでいたことになる。今シーズンにおいても、第14節エルチェ戦(この試合もアランバリはゴールを決めている)を最後に8試合未勝利が続いていたところ、アランバリは第23節アラベス戦と先のビジャレアル戦でともにゴールを決め、2連勝の立役者となった。この八面六臂の活躍ぶりは、「ゴール前で最高の時期を迎えているこの選手の活躍が、チームに勝利をもたらしている」と『アス』に言わしめるほどだ。
また、アランバリの得点力が爆発している要因は「戦術的な進化の結果」という。その最たる存在が、同じく中盤の主力(今シーズンは基本的には『5-3-2』)に定着するMFルイス・ミジャで、このスペイン人がバランスを取るとともに配給役を担うことで、アランバリが「解放」された、と同紙は指摘。「より頻繁にゴール前に飛び込むことが可能となった。そしてそれは、彼の卓越したシュート力を最大限に発揮させることに繋がっている」と記している。
そんなアランバリに“瓜二つ”のような特徴を持った選手が、Jリーグにもいる。名古屋グランパスに所属するMF稲垣祥だ。ロッソジャッロで舵取り役を担う34歳は、昨シーズンに16位と低迷したチームで、キャリアハイとなる11得点を記録する大活躍。当然、チームトップスコアラーであり、稲垣で稼いだ勝ち点は計り知れない。それは、約4年ぶりに日本代表に招集されたことや、ベストイレブンに選出されたことが物語っている。また、同シーズンのPK成功率に関しても、6分の6と100パーセントを誇っていた。
アランバリに話を戻すと、先のビジャレアル戦での1ゴールは、チームに連勝をもたらしただけでなく、クラブ史に自身の名を刻むことにも買って出た。ヘタフェでラ・リーガ通算21得点を記録している同選手は、すでにMFのクラブ最多得点ランキングで歴代2位タイにまで上り詰めており、1位のペドロ・レオン(スペイン紙『マルカ』は同選手をFW扱いとしているため、すでに歴代1位と報じているが)の通算得点数が『24』であることを踏まえると、クラブ史上最高のMFとなることは「時間の問題」となっているのだ。

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