2月28日から3月1日にかけて、兵庫県明石市の兵庫フットボールセンター明石で行われた『JA全農杯2026全国小学生選抜サッカーin関西』。
滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、兵庫県から予選を突破した16チームが集結し、ファイナリスト2チームに与えられる全国大会(JA全農チビリンピック2026 JA全農杯2026全国小学生選抜サッカー決勝大会)出場権をかけて熱戦を繰り広げた。
試合のレギュレーションは8人制で、12分×3ピリオドのゲーム形式で行われる。第1ピリオド、第2ピリオドはそれぞれ試合前に決定したスタメン8人が出場。5分間のインターバルを挟んで行われる第3ピリオドは、原則として第1・第2ピリオドの両方に出場していない選手の中からスタメン8人を選出し、かつ交代も無制限に行える。
登録メンバー全員に一定数以上のプレー時間が与えられている中で、いかに3つのピリオドでスタメン起用する選手の組み合わせや、フォーメーションなど工夫して、選手たちの持ち味やチームカラーを打ち出せるか。相手のやり方を見て、第3ピリオドで勝負をかけることができるか。チームの方向性、選手の個性、ベンチの采配、そして総合力の全てが問われてくる。
■ハイレベルな駆け引きが繰り広げられる
4チームずつ4グループに分かれて行われた予選リーグを経て、それぞれの上位2チームに入ったヴィッセル神戸U-12(兵庫県第1代表)、石切東FC(大阪府第1代表)、DREAM FC(大阪府第2代表)、西宮サッカースクール(兵庫県第2代表)、ディアブロッサ高田FC U-12(奈良県第1代表)、加茂FC(京都府第1代表)、和歌山ヴィーヴォまつえ(和歌山県第1代表)、FC SALVAJE(和歌山県第2代表)の8チームが決勝トーナメントに進出。準決勝で石切東FCを3ー1で下した神戸U-12と、DREAM FCを2-0で下した西宮SSが関西代表の権利を手にし、決勝で激突した。
第1ピリオド2分にいきなり試合は動いた。右サイドでボールを受けた神戸U-12・早野晃生がゴール前のスペースにもぐり込んだ三木連太郎の動きを見逃さず、縦パスを打ち込む。これを受けた三木は鋭いターンで前を向いてシュート体勢に入る。西宮SSのGK平凌空が素早い反応で前に出てシュートコースを切ると、「このまま打ったら止められると思った」と三木がシュートをキャンセルして切り返しでGKをかわして、無人のゴールに先制弾を蹴り込んだ。
これで勢いに乗った神戸U-12は、12分にもレフティ・吉元玖杜のスルーパスを受けた三木がシュート。だが、これはGK平のビッグセーブに阻まれて追加点ならず。西宮SSが耐える形で第1ピリオドを終了した。
迎えた第2ピリオド。共に第1ピリオドとはメンバーもフォーメーションも変えて臨んだこともあり、ピッチ上では両チームの選手による探り合いが見られた。
相手の狙いは何か、自分たちのチームの意図は何か。後ろを4枚にしてGKからのビルドアップで攻撃を組み立てる神戸U-12と、高い位置に両ワイドを置いて幅を使って攻める西宮SS。相手の出方をうかがいながら、システムの優位性を発揮するハイレベルな駆け引きが展開された。
先にチャンスを作ったのは西宮SS。3分、「彼にはボールを受けたら迷わず仕掛けて、シュートまで行けと伝えています」と瀧口宏監督が口にしたように、最終ラインでボールを受けた植村隼士がドリブルでペナルティエリアまで持ち込んでシュート。これはGK山下アリスター賢悟の正面を突いたが、流れを一気に引き寄せた。
5分にも再び植村が最終ラインからドリブルで持ち込んでミドルシュート。
神戸U-12も終了間際にカウンターから山口凛雄翔が、幣守航とのワンツーから強烈なシュートを放つが、ゴールのわずか左外。両チームチャンスを生かしきれず、1-0のまま第2ピリオドを終えた。
そして最終、第3ピリオド。1分に神戸U-12の山口がフォアチェックからボールを奪ってシュートを放つが、これはGK平がガッチリとキャッチ。7分には神戸U-12・山口のスルーパスから三木が抜け出すが、ギリギリのところで西宮SS・植村がテクニカルなスライディングでブロック。
一進一退の攻防が続いたが、8分に神戸U-12が猛攻を仕掛け、早野の強烈なシュートはGK平のビッグセーブに合うが、浮き上がったボールの落下地点にいち早く入り込んだ吉元が、鮮やかな左足ダイレクトボレー。「GKの位置ははっきりと見えていました」と胸を張った一撃は、好守を連発していたGK平の指先をすり抜けてゴールに吸い込まれた。このゴールで勝負は決し、2-0で神戸U-12が見事に大会2連覇を成し遂げた。
優勝した神戸U-12、準優勝の西宮SSが5月3~5日に神奈川県で開催される『JA全農チビリンピック2026 JA全農杯2026全国小学生選抜サッカー決勝大会』に関西代表として出場する。
■試合後コメント
▼大屋翼監督(ヴィッセル神戸U-12)
今大会はチーム編成上、新5年生を起用する構成の中で、予選リーグは第1、第2ピリオドを同じ形で戦っていたのですが、決勝トーナメントは相手のレベルもさらに上がる中で、選手の最適解を考えてメンバー、システムなどを変えて戦いました。即興性という面ではまだまだ物足りない部分があったのですが、普段の練習中から選手たちにいろいろなことを柔軟に求めていくトレーニングを意図的にやっているので、これを積み重ねていけばチームとしても選手個人としても成熟していくと思っています。
今大会での発見はある程度ボールを持たせてもらえる戦い方をする相手だと、自分たちのサッカーがきちんとできるなと感じた一方で、前から積極的にプレッシャーに来る相手だとやっぱり慌ててしまう。まだまだ技術が足りない証拠だと思いました。それは県大会を通じて感じていたところでもあり、関西大会でもまだ改善できていなかったので、ここからはしっかりと練習に落とし込んでいきたいなと思っています。
全国大会に向けては、私自身、今年からU-12の監督就任で、これが初の全国大会となります。5月に向けて自分たちのスタイルの精度を高めていって、どこまで通用するかを試したい、トライしたいと思っています。
▼吉元玖杜(ヴィッセル神戸U-12)
僕は左利きなので、右からカットインしてのシュート、スルーパスを得意としています。今日の試合でも相手がスライディングなどで飛び込んできたら切り返しをして、中に入っていくプレーをイメージしました。僕の武器を生かすためには、スピードと緩急を大事にしています。
今日のゴールシーンはかなり気持ち良かったです。味方のシュートをDFが弾いて、浮いてきたボールをボレーで決めました。
▼三木連太郎(ヴィッセル神戸U-12)
関西の第2代表ではなく、優勝して、関西の代表として全国に行きたかったので、勝つことが出来て良かったです。
僕はシャドーの位置で受けた時に、ワンタッチで周りにはたいたり、相手を見てからFWの選手などにボールを当ててワンツーをしてゴール前に入ってシュートまで行ったりすることが好きです。全国までの2カ月間、今日はゴールシーン以外にも決められるシーンがたくさんあったので、最後の決定力を高められるようにもっと練習したいと思っています。
▼杉田勝彦コーチ(西宮サッカースクール)
決勝はすでに全国大会が決まっていたこともあり、この試合は育成に重点を置きました。選手たちには試合前に「持てる力、普段培っている技術やアイデアを全部出して来てほしい」と伝えてピッチに送り出しました。ヴィッセルさんには兵庫県予選決勝でPK戦の末に負けていたので、選手たちは負けたくない気持ちを持って戦ってくれました。この決勝で次の全国大会に向けて、自分たちの足りないところに気付けたと思いますし、今後その課題に向き合ってくれるかなと思います。長い目で見ると、この敗戦は必要な経験になると思っています。
GKの平凌空はフィールドプレーヤーもできる選手で、GKとフィールドの両方をやっているように、我々としても選手のポジションを固定せずにやっています。
▼平凌空(西宮サッカースクール)
試合中は相手のフリーの選手がボールを持った時にどこにパスを出すか、ドリブルをするかなどを見ています。GKもフィールドもやるのですが、フィールドプレーヤーの時は縦に仕掛けたり、コーナーをとったり、GKの時は裏に来たボールに対応して、クリアなのか、味方にどう繋げるのかを考えてプレーしています。
準優勝は悔しい結果ですが、気持ちを切り替えて全国大会に向けて頑張りたいです。全国大会ではもっとパスにこだわったり、裏に来たボールをしっかり味方に繋げたりしたい。強いチームばかりなので、僕が声を出して積極的にプレーしたいと思います。
取材・文=安藤隆人

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