土曜日の午後、本拠地『ソン・モイシュ』で流れた“海賊の涙”は、「年月が経っても、ベルメジョネス(クラブの愛称)の人々は語り続けるだろう」とスペイン紙『マルカ』が綴る。低迷するマジョルカを牽引するヴェダト・ムリキが、4日のラ・リーガ第30節レアル・マドリード戦で後半アディショナルタイムに値千金の決勝点を挙げると、「キャリアの中で最も過酷な数週間」から解き放たれた安堵で、ピッチ上で感情が流露したのだ。
ムリキは、3月の代表ウィーク前最後のリーグ戦となった先月21日の第29節エルチェ戦でPKを失敗。これが響いたマジョルカは、残留争いの“シックスポインター”を1-2で落として降格圏へと転落した。さらにこの点取り屋は、FIFAワールドカップ2026欧州予選プレーオフにコソボ代表として出場したのだが、決勝戦でトルコ代表に0-1と敗戦。同国史上初の本大会出場をあと一歩のところで逃したほか、自身はプレーオフの2試合で無得点と鳴りを潜めるなど、クラブならびにナショナルチームの“エース”として自責の念に駆られていた。
そんななかで決めたゴールは、レアル・マドリードからの金星を手繰り寄せるとともに、ふたたび残留圏に押し上げるものとなった。『マルカ』は、ムリキの涙について「心からの反応」としつつ、「修復不可能な傷だったが、少なくともマドリー戦での劇的弾によって、その痛みは一時的に和らぐだろう」と選手本人とっても価値ある1点だと指摘した。
決勝点がリーグ戦19得点目となり、首位キリアン・エンバペ(23得点)との差を縮めたムリキ。試合後、「外見から強面で冷酷に見られているかもしれないけど、僕も人間なんだ。ときには、感情や緊張に押しつぶされそうになることもある」と痛みを抱えながらプレーした“海賊”は、さらなる得点量産に燃えているだろう。
【海賊の目に涙】今度こそチームを救ってみせたムリキ

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