
【概要】軽自動車と軽キャンピングカーについて、車中泊や運転、規格や形状など、実際に乗り比べて感じた違いや気が付いた点、メリットなどを車中泊女子・まるななが紹介。
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こんにちは、車中泊女子・まるななです。
私は2017年に中古で軽キャンピングカー「テントむし」を購入し、いまは7年目になりました。
以前は軽自動車のスズキ・パレットに、自作のベッドキットで車中泊を楽しんでいましたが、WEBの中古車情報から自宅近くの販売店でテントむしに出会い、乗り換えとなりました。
今回は、普通の軽自動車から軽キャンピングカーに乗り換え、何が変わったか、実際に乗ってみてわかった違いや、7年乗り続けて気がついたことをまとめました。
テントむしと軽キャンピングカーについて
軽キャンピングカー・テントむし(キャンプコンタイプ)
その前に、私の愛車「テントむし」をちょっとだけ紹介。軽自動車規格のキャンピングカーで「バンショップミカミ」が製作・販売しています。
2000年代後半に、“元祖軽キャンピングカー”として登場。ポップでかわいい見た目から、キャンピングカーとして初ミニカー(トミカ)になったほどで、いまでも大人気の軽キャンピングカーなのです。
軽キャンピングカーの規格について
軽キャンピングカーとは、黄色8ナンバーの軽キャンピングカー(以下、軽キャンパー)のこと。
キャンピングカーの構造要件を満たした、車検証に「キャンピング車」と書かれているクルマを指します。
しかし、一般的に軽キャンパーとして呼ばれるもののなかには、黄色4ナンバー(軽貨物)や黄色5ナンバー(軽乗用)にベッド架装し、車中泊できるようにした「車中泊仕様車」を、軽キャンパーと呼ぶ場合もあります。
また、「ラクーン」や「ハッピーワン」などに代表されるキャンピングカーも、「軽キャンパー」と呼ばれます。
こちらはベース車が軽トラックで軽自動車なのですが、架装部分(居住スペース)が軽自動車規格に収まっていないため、白8ナンバーの普通車扱いになります。
ちなみに、黄色8ナンバーの車検は2年おきです。
ややこしいですね。
軽キャンパーの形状について

バンコンタイプの例。
ちなみに、軽キャンパーの形状は2種類あります。
テントむしのように、ベース車のリア部分に居住スペースをドッキングさせた、いかにもキャンピングカーの見た目をしたものが「キャブコン」。
バンの後部座席を架装したキャンピングカーで、一見普通の軽バンの見た目をしたものを「バンコン」といいます。
では今回は、普通の軽自動車から軽キャブコンのテントむしに「乗ってみてわかったこと」を紹介します!
軽キャンパー・テントむしの運転席の違いについて

テントむしは軽トラベースのキャンピングカー。
軽キャブコンであるテントむしのベース車は、軽トラック。
その荷台を架装したものなので、運転席は軽トラです。ちなみに軽トラの背中部分は切り抜かれ、運転席から居住スペースに行き来でき、座席は座りやすいものに交換されています。
実際に乗って気が付いた、普通の軽自動車との違いは以下のようなものです。
* 運転席の位置が高い
* 死角が多く後ろはあまり見えない
* 車庫入れに慣れが必要
* 視線の位置が高い
軽トラは運転席の座席位置が少し高め

軽トラ(ハイゼットトラック・ジャンボ)の運転席。
軽トラの座席位置は少し高めで、私は見やすくていいなと思いました。
でも座席位置が高いので、乗り込むときは「よいしょ」という感じになります。背が低い人などは乗り降りがしにくいかもしれません。
死角が多く、後ろはまったく見えない
軽キャブコンは車線変更などの場合、斜め後ろが目視しにくく、そのためミラーを追加する人もいます。
私の場合は、サイドミラーをしっかりと確認することと、前屈みになるように目視するように心がけています。
ちなみに後方は、あまり見えませんのでバックカメラは必須といえます。
バック駐車には慣れが必要
以前、テントむしは車庫に入れていました。
後ろが見えにくいうえに、サイクルキャリアを取り付けており、全長が普通の軽自動車より長めです。
もともとバック駐車は苦手ではありませんが、それでも慣れるまで、かなり時間がかかりました。
いまだにドアを開け、後ろを目視しながら駐車しています。
逆に普通車を駐車するときは、後ろを空けすぎてしまうという変なクセがついてしまいました。
軽キャンピングカーの居住スペースについて

軽キャンピングカー・テントむしの居住スペース(ダイネット)。
キャンピングカーの居住スペースのことを、「ダイネット」といいます。
普通の軽自動車とのいちばんの違いはここですよね。
以前は運転席と後部座席を倒し、ベッドキットを設置して車中泊をしていました。軽キャンピングカーに乗り換えて思ったのは以下のことです。
* 完全に部屋
* 網戸が最高すぎる
* ベッド展開しなくていい
* ポップアップはすばらしい
完全に部屋

テントむしの居住スペースは、車内にいることを忘れてしまうほど快適。
バンコンタイプと決定的に違うのは、やっぱりここですね。
軽キャブコンのダイネットは「ここがクルマの中?」という感じで、車内にいることを忘れてしまいます。
軽キャブコンは窓が小さく少なくて、壁が家の部屋と同じ直線的だからか、とても落ち着きます。
網戸が最高すぎる
夜に換気しようとすると、明かりに吸い寄せられた虫が容赦なく入ってきますが、軽キャンパーには網戸があります。
いままで普通の軽自動車で車中泊しているときは、ドアにネットを被せていました。
でも軽キャンパーは、家と同じような感覚で窓の開閉ができるので、寝ているときに暑くて目が覚めて、寝ぼけまなこでも窓は開けられます。
網戸は普通のクルマにも標準装備になればいいのに!って思ってしまうほど、車中泊の必需品だと思います。
ベッド展開しなくてもいい

レイアウトによりベッド展開が不要
以前のクルマでは、寝る前にベッドを展開しないと寝ることができませんでした。
雨が降っているときはクルマのドアを開けガサゴソと、濡れながら設営をしなければいけません。
女性ソロとバレないよう、なるべく外に出ないようベッド展開をしていました。
でもテントむしに乗り換えてから、眠たくなったらすぐに横になれるので、とても気が楽になりました。
とはいえ、キャンピングカーだからベッド展開が不要というわけではなく、キャンピングカーでもベッド展開をしないと寝られないレイアウトもあります。
もしキャンピングカーの購入を検討しているなら、ベッド展開しなくてもいいレイアウトにするのが断然おすすめ。
「ベッド展開が面倒。常設ベッドがほしい」。こんな理由でキャンピングカーを乗り換える人がいるくらい、大事なことなのです。
ポップアップルーフは換気と防犯にGood!

テントむしのポップアップルーフ。
ポップアップルーフとは、天井部分が持ち上がり、車内を広く使える設備のこと。
ソロ使いがメインの私にとって「ポップアップルーフ」は不必要なものだと思っていましたが、最近は少し考えが変わりました。
これまで北海道は真夏でも熱帯夜になることはほぼなく、ポップアップはせずに寝ていましたが、昨今では寝苦しい夜も増え、ポップアップルーフのありがたみを痛感するようになりました。
暖かい空気は上の方にいくため、天井を高くすることにより暖かい空気を上へ逃がせるからです。
テントむしはポップアップ部分の開口が大きく、全面網戸にすることもできます。
風がないときはサーキュレーターを2台使い、下の窓からサーキュレーターで外の空気を取り入れ、上のポップアップへ暖かい空気を流し、排出しています。
天井が上がるだけでも、体感温度はかなり違いますよ。
また、寝苦しい夜の車中泊では、窓を開けて寝ることが多いと思いますが、窓を開けると外から車内が見えてしまうのです(当たり前ですが)。
でも、開けないと暑いし、開けると見えてしまう。
バックドアを少し開けられる「ボーンバー」という器具もありますが、それでも女性ひとりで安心して眠るには不安です。
でも、ポップアップルーフなら横の窓をすべて閉め切っても、上から換気ができるので、涼しく安心して眠ることができます。
上から侵入される可能性もゼロではありませんが、防犯という面でもポップアップルーフはいいと思います。
軽キャンピングカーの外観とメンテナンスについて

まるななの愛車、軽キャンパー・テントむし。
立体駐車場に入る高さ
軽キャンパーは軽自動車規格のため、高さは2m以下でなければなりません。
最近の立体駐車場の高さ制限は2.1m。テントむしは2m以下のため、立体駐車場には難なく入れます。
都会の駐車場の多くは立体駐車場で、軽自動車サイズだと駐車場所に困ることはありません。立体駐車場に入れるたびに「軽キャンパーでよかった!」と実感しています。
オイル交換はこまめに
テントむしのオイル交換は、購入時に販売店から「3000kmを目処にしてくださいね」といわれており、いまも守っています。
軽キャンパーは軽トラックの後ろに「シェル」と呼ばれる重たい居住スペースを積載し、走行している状態。
エンジンに負担がかかってしまうため、普通のクルマより短い距離でオイル交換をしなければいけないそうです。
ちょっとお金がかかってしまいますが、いつまでも元気に走ってくれるためには、仕方ない出費です。
私のテントむしは、2009年式の走行距離9万6千kmの中古車を購入しました。
あれから7年。走行距離は19万kmに達し、まもなく20万kmを迎えそうです(2023年10月現在)。
いまもエンジンの不調は感じません。
また、ほかのテントむしオーナーさんに聞くと、走行距離10万kmを超えているという人も少なくないそうですよ。やっぱりオイル交換は大事なようです。
空気圧をこまめにチェック
オイル交換と同じく、タイヤのチェックも必要。重たいシェルを積載して走っているため、タイヤの負荷も大きくなります。
タイヤの空気圧が足りないとバーストしまう可能性もあるので、適正な空気圧にするよう心がけましょう。
* * *
以上が、普通の軽自動車から軽キャンパー・テントむしに乗り換えて実感したことです。
やはり普通の軽自動車から乗り換えての運転は、慣れるまでは毎回ドキドキ。
なにせ壊したら修理代が高いですし、廃車になっても同じクルマをすぐに購入することができません。
キャンピングカーの購入は、「愛車と同時に自分の個室を同時に手にいれる」というのと同じことだと思っています。

。軽キャンパー・テントむしの車内
でも、運転も慣れてしまえば、どこにでも一緒に行ける相棒であり、災害時のシェルターとしても心強い存在です。
私が購入した中古のテントむしも、前オーナーさんが大事に乗っていたと思われるクルマ。私が買った購入店もキャンピングカーの取り扱いに慣れている販売店でした。
キャンピングカー車検は、ディーラーや整備工場によっては断られることもあるそうです。
何かあったらすぐに相談できる、キャンピングカーに精通している販売店で購入することを強くおすすめします。
とはいえ、軽キャンパーにはデメリットもあるので、可能なら一度レンタルなどで試乗をした方がいいと思います。
軽キャンピングカーのメリット・デメリットについてまとめた記事もありますので、そちらも併せてご覧ください。
執筆者プロフィール
まるなな
2017年に中古で購入した軽キャンピングカー・テント むしに乗る車中泊女子。
北海道札幌市在住で、キャンプ・登山・グルメや温泉などの様子をYouTube「まるななちゃんネル」とブログ「まるななブログ」にて配信中。
写真、文:まるなな