ご近所づきあいでは、思いがけないトラブルに巻き込まれることもあります。主婦の由香さん(仮名・35歳)は、ママ友の朋恵さん(仮名・34歳)がパートを始めると同時に、その娘(翠さん・仮名9歳)が放課後から夜まで家に居ついて帰らないことに頭を悩ませています。

近所の子が家に居座るようになって


「学童代がもったいない」9歳娘をよその家に居座らせる母親。居...の画像はこちら >>
由香さんの娘の紬さん(仮名・8歳)と翠さんは違うクラスなので、帰りはバラバラで帰宅時間も違ったと言います。しかし、二人は仲が良く、放課後は紬さんの家でよく遊んでいたのだとか。

「ある日、翠さんが勝手に上がって来て、冷蔵庫を開けて『喉が渇いた』とジュースをすべて飲み干してしまったのです。今度は『おやつが食べたい』と言うので『おうちの人に聞かないとアレルギーがあったら困るから』と断ったんですが、ギャン泣きして暴れまわる始末。仕方なく、『少しだけね』と個包装のお菓子をあげました」

それとなく迷惑だと伝えても……


どうやら翠さんのスマホにはGPSがついていたらしく、夜18時になると朋恵さんが迎えに来たそう。由香さんが「何でも食べたがって困る」と伝えると、朋恵さんは「アレルギーないから何食べても大丈夫だから」と答えたと言います。

居座られても大変なので、「学童保育は?」と聞いてみましたが、「学童に預けると月1万円するから、節約のため通わせていないの」「これからもよろしくね」と言って、帰って行ったのだとか……。

「朋恵さんはボスママ的存在なので、揉めたくないんです。それ以上は何も言えませんでした。夫に相談すると『毅然とした態度をとらないから悪いんだ。子どもがやることがエスカレートするぞ』と言われたので、次の日は翠さんを家に入れないことにしたんです」

やむなく居留守を使うも…


翌日、幸い紬さんが先に帰って来たので、翠さんが何度もインターホンを鳴らしても出ないで居留守をつかったそう。玄関で泣き叫んでいたけれど、しばらくすると諦めて帰って行ったのだとか。

「次の日、もう大丈夫だと思っていたら、翠さんがリビングの掃き出し窓から『ここが開いていた』と言いながら、勝手にあがってきました。あまりのことに正直びっくりしたけれど、ここで叱るのもおとなげないので、黙っていたんです。すると『少し寒いな』と言ってエアコンのリモコンを手に取ると勝手に温度を上げました」

翠さんは「まだ紬は帰って来てないよ」と言っても「1人でも大丈夫」と平然と言ってのけたそう。
あまりに「寒い」と騒ぐので紬さんのパーカーを着せてあげると「暖かい」と喜んだが、「この服ちょうだい」と言い出したそう。「まだ紬が着ているからダメよ」と断ると、ムッとした顔をしたのだとか。

夫が休みの日もやって来て


また、ある土曜日のことでした。

「朋恵さんは基本的に平日パートみたいなんですが、『今日は土曜日なんだけど、急に午後から仕事に出ることになった』とLINEがきました。さすがに『夫が休みで家にいるから、翠ちゃんに来られても困る』と返信しました。しかし、少し経つとリビングの掃き出し窓から翠さんが入って来ました。うんざりしましたが、やはり朋恵さんと揉めたくないので、仕方なく受け入れることにしたんです」

翠さんはソファでくつろぐ夫を尻目に、紬さんと遊ぶわけでもなく、いつも通りお菓子をねだったり、由香さんの後をついて回ったりしたそう。勝手に冷蔵庫を開けると「ケーキがある!今すぐ食べたい」と言い出したので「コレはあげられないのよ。今日は紬の誕生日だから夕飯が終わってから家族で食べるから」と諭したと言います。すると、翠さんは大泣きし、「ケーキが食べたい」と繰り返して騒いだのだとか。「しょうがないでしょ」と由香さんが諭すと、「今日は夕飯までいて私もケーキを食べる」と言ってきかなかったそう。

「夕飯の時間になっても朋恵さんは迎えに来ず困ってしまいました。夫が『自分たちだけ食べるわけにはいかないだろう』と言うので、迎えを待つことになって。


20時頃、迎えに来た朋恵さんが『仕事が忙しくて休日出勤になった上に残業だった』と遅くなった理由を説明すると、夫が『今、何時だと思っているんですか』『あなたが出勤する前の朝の8時から娘さんはうちに居座っているんですよ』と怒り出しました」

夫が毅然と注意して


由香さんの夫が「妻からも聞いているんでしょ、勝手に入って来て、冷蔵庫を開けたり、節度がないんですよ」と言うと、朋恵さんが「ちゃんとするように言いきかせます」と答えたと言います。それでも夫は「もううちで面倒を見るのは限界です。今日限りでうちヘ来るのをやめさせてください」とハッキリと告げたのだとか。

「すると朋恵さんは『わかりました。今までご迷惑おかけして申し訳ありませんでした』と言って翠さんを連れて帰りました。私が『ご近所さんだからきっぱりものが言えなかった』とつぶやくと、夫が『ハッキリ断ることで俺が悪者になれば済むならそれでいいよ』と笑顔で話してくれて、夫には頭が上がらないと思いました」

その日を境に、翠さんはピタッとうちに来なくなったそう。どうやら学童保育に通うようになったのだとか。それから朋恵さんとLINEをすることもなくなり、会えば挨拶程度のつかず離れずの距離感になったと言います。

ご近所づきあいは、いざという時に支え合えますが、トラブルにつながることもあります。必要以上に踏み込みすぎず、かといって疎遠にもならない、「つかず離れず」の適切な距離感を保つことが大切です。

<取材・文/菜花明芽>

【菜花明芽】
ライター。ゾッとする実録記事を中心に執筆中。
カフェでのんびり過ごすことが好き。
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