◆パ・リーグ 西武3―0オリックス(26日・ベルーナドーム)
1球で空気を変えた。連打を許してつくった初回無死一、二塁のピンチ。
3月からチャットGPTを活用。自分の名前を入力すると同時に過去の成績も把握され、目標の三振数もデータ化してくれるという。「半分おもしろがって、半分ちゃんと聞いています」と笑うが、この日もしっかり質問。「どうすれば(チームの)連敗を止められるか」と尋ねたところ、「攻めていって1球で空気を変えろ」との回答が。その言葉を体現したのが、初回に太田から奪った見逃し三振だった。「試合中には思い出しませんが、大事だなと思います」。AIが導き出した最適解でチームの連敗を4で食い止めた。
勝利数、防御率はリーグトップ。2勝ながら防御率0・69の今井とともに投手陣を支える。毎年1月の自主トレでは、ともにアスリートコンサルタントの鴻江寿治氏に師事。フォームの改良などレベルアップに取り組んでいる。「競い合うというよりは2人ともチームが勝つためにやっています」と声を大きくした。「今井も隅田も頼もしい」と西口監督の目尻も下がる。借金を2に減らしたチームはソフトバンクと入れ替わって最下位を脱出。チャットGPTの声も聞きながら、左腕がスコアボードにゼロを連ねていく。(秋本 正己)
◆記録メモ 隅田(西)が7回無失点の好投で開幕から4戦4勝とした。西武で左腕の開幕から4戦4勝は87、91年工藤公康、03年三井浩二、18年菊池雄星に次ぎ、4人目5度目。また、隅田は4月に31回を投げて自責2の防御率0.58。現時点で今井の0.30(30回自責1)と4月の月間防御率0.60未満が球団で2人となった。