◆北海道六大学野球春季リーグ戦第1節1日目 北洋大1―0北海道教育大旭川=延長10回=(26日、苫小牧・とましんスタジアム)
北海道六大学野球春季リーグ戦が開幕して3試合が行われた。今年度限りでの休部が予定されている北洋大は、1―0で道教大旭川に勝利。
北洋大“最後”の春が白星で幕を開けた。延長10回2死。最後の打者を一ゴロに打ち取った藤田は「こういう試合展開を予想していた。抜くところは抜いて、(ピンチでは)力を入れるような投球ができた」。投手登録の選手が野手で出場する総力戦を制し、エースは静かに右拳を握った。
道教大旭川・小倉巧(2年=室蘭栄)との息詰まる投手戦。両チーム無得点のまま延長に突入すると、10回2死二塁から深井聡輔捕手(4年=長野・松本国際)が適時打を放ち、均衡を破った。藤田は8回の先頭に二塁打を許すまで無安打投球。終盤に2度、無死二塁のピンチを迎えたが、最後まで無失点で10回138球を投げ抜いた。
野球部は苫小牧駒大時代の1999年に創部。
選手には年明けに休部の意向が伝えられた。来年以降も野球を継続したい2、3年生は道内のクラブチームなどでプレーできるよう働きかけていく予定で、創部以来指揮を執る大滝敏之監督(70)は「私もできるだけサポートしていきたい」と話した。
休部が決定すれば、北洋大に残されるシーズンは今年の春、秋のみ。伊藤を擁して頂点に立った20年秋以来のリーグ優勝に向け、藤田は「(休部は)予想できていたので、ビックリはしなかった。最後くらい監督を全国に連れて行きたい。なるべく一つでも多く勝たせてあげたい」。ベンチ入り選手14人が一丸となって、白星を積み重ねていく。(島山 知房)
◆急速な部員減少リーグ存続の危機 23年WBC優勝メンバーの日本ハム・伊藤、ソフトバンク・周東(東農大北海道)を輩出した北海道六大学リーグが存続の危機に立たされている。
北海道学生連盟(道連盟)の25年度春季リーグ戦には1部6校、2部2校の計8校が出場しているが、ベンチ入り上限である25人以上の選手が所属する大学は函館大と東農大北海道の2校のみ。
同リーグが廃止された場合、全日本大学選手権の北海道からの出場枠が現行の「2」から「1」に減る可能性もある。道連盟は函館、網走など全道各地に所属大学があり、札幌市内と近郊の大学で構成される札幌学生連盟との合併、再編は容易ではない。東農大北海道・三垣勝巳監督は「うまいこと分配できたらなという思いはあったりする。避けては通れない道。このままではどうしようもない」と話した。
◆北洋大 1998年に苫小牧駒大として開学した私立大。2018年に駒大から京都育英館に運営法人が移管され、21年4月に現校名となった。学部は国際文化学部のみで、学士課程の学生数は24年5月1日現在で132人。主な卒業生は日本ハム・伊藤大海、アイスホッケー女子日本代表元主将の大沢ちほ。