◆春季高校野球石川県大会▽2回戦 星稜3―2輪島(27日・石川県立)

 昨秋8強の星稜は3―2で輪島に逆転勝利した。打線が振るわず接戦に持ち込まれて大苦戦。

1―2の8回1死一、二塁から1安打、2失策で2点を挙げて逆転した。7安打を放ったが、3得点はいずれも相手の失策がらみで打点はゼロ。ヒヤヒヤの初戦勝利に、山下智将監督は「今のチームの現状かなと思います。昨秋から半分、ベンチメンバーが替わり、初戦の硬さがあった。十分、予想はしていましたが…」と重々しい雰囲気で振り返った。

 辛勝だった一方で貫禄の投球を見せたのが、145キロのエース右腕、道本想(3年)の投球だ。1―2の8回無死三塁で緊急登板。「あと1失点してしまうと試合が決まってしまうので、絶対にゼロに抑える。前に打球を飛ばさせない」と気合十分。5回から肩は作っており、威力満点のストレートを軸に打者を圧倒。最速144キロをマークして2者連続の空振り三振を奪い、最後は左飛に抑えて切り抜けた。

 冬場は「例年の2倍走り込もう」と、朝練で8キロ、午後はインターバル走などスタミナ、下半身強化を徹底。

174センチの身長に対し、体重は3キロ増の75キロとパワーアップを果たした。「春は優勝し、第1シードで夏の大会に挑みたい。投手として常にゼロに抑え、150キロは出したい」。心身ともに成長したエースがチームを勝利に導く。(中田 康博)

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