◆JERA セ・リーグ 阪神1―2巨人(27日・甲子園)
執念だった。岸田が魂のひと振りで勝利を呼び込んだ。
どんな状況でもぶれなかった。「悔しい気持ちはありますけど、腐らずにやることは当たり前のことだと思う」。昨季はキャリアハイを大幅に更新し、捕手としてはチーム最多72試合に先発出場。しかし、今季はFAで甲斐が加入し、出場機会が激減した。スタメンの機会はなし。出番が限られる中で指揮官の教えは貫き続けてきた。
今オフは単独で自主トレ。「楽しようと思ったら楽できる中で、自分にプレッシャーをかけてやることが僕はいいなと思った」と己と向き合い、緊迫した場面で最高の結果を出した。「ホッとした気持ちもありますし、自信にして与えられたところで頑張りたい」。ひたむきな男の一打がチームを救った。(宮内 孝太)