▼ACLE決勝 川崎0―2アルアハリ(サウジアラビア)(日本時間4日、キング・アブドゥラー・スポーツシティ・スタジアム)
川崎は決勝でアルアハリ(サウジアラビア)に0―2で敗れ、悲願のアジア制覇にあと一歩届かず、準優勝となった。
2020年限りで18年間にわたる、川崎一筋での現役生活を引退し、現在はクラブでフロンターレ・リレーションズ・オーガナイザー(FRO)を務める元日本代表MF中村憲剛氏が準決勝後、初の決勝戦を前にして合同取材に応じた。
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(クラブ初のファイナリストの状況に)感動しています。いろんな意味で簡単ではない状況。サウジアラビアで中2日が続き、言い訳が出来てしまう戦いですが、そこをはねのけて一丸で、一戦必勝でやってきた結果。2つ勝って決勝まで進んだ後輩たちを本当に誇りに思います。
(要因は)しっかりと相手を分析して、長谷部監督、スタッフが提示し、選手たちが勝負どころで相手よりも一歩前に出る、目の前の相手にやらせないとか、苦しい時間をみんなで乗り切ってきた。戦略、戦術、技術、メンタルのところ、集中力も高い状態で戦えていた。若い選手も含め、総合力でここまで勝ち上がった。オニさん(昨季まで率いた鬼木前監督)や、いろんな人たちが関わってきたことが集約されている。
(自身にとってACLは)最初に挑戦したのが2007年。目標は予選リーグ突破だった。準々決勝でセパハン(イラン)にホームでPK戦で負けて、そこから挑戦が始まった。
17年、埼玉スタジアムで浦和に逆転負けを食らった試合は今でもすごく覚えている。第1戦で勝っていたが、(第2戦は)1人退場者が出て、僕が代わって。最後チームの力になれなかった悔しさがある。すごくチャンスのある大会だった。
(国内でリーグを3度制覇時にもACLは取れず)やっぱりどのチームもその国のチャンピオンで、個の力も組織力もある。やりにくかった。アジアで戦う難しさって別ものだなって。数少ないチャンスを決めきる質の高い選手たちがJリーグよりいた。
(今季の川崎は守備意識が高く)相手がどう戦うかを見ながら自分たちが守備をする。見定めた上でどう攻略していくか。戦い方自体は変わってきているなと感じる。
(アジアのスターがいる相手の戦いにもマッチ)自分たちがしっかりと守備を構築することで、相手が崩れるのを待つ戦いを今は選択できている。自分たちがいた時みたいに、攻撃的に攻撃的に、とやってカウンターで仕留められるという戦い方の逆ですね。(準決勝でも)ロナウドやマネだったり、そういう選手たちの攻撃をみんなで体を張って守りつつ、チャンスを見ながら隙を突く。自分たちに流れを持ってきて、相手が出てきたところをひっくり返す戦い方が、よりはまっていたと思います。攻守において、自分たちがどうアジアで戦うべきか整った状態で今回はやれていたと思います。
(ここ2年間はリーグ8位。
(中東の資金力のあるクラブとの戦いでチーム力を示し、日本サッカーにとっても大きな意味)本当にタフな戦いだったと思うけど、それを言い訳にせず、本当に泥臭く、目の前の相手に絶対に負けないという気持ちをベースに戦った。僕はその姿にとても感動しました。(談)