◇明治安田J2リーグ 第13節 札幌1-0山形(3日・NDソフトスタジアム山形)
北海道コンサドーレ札幌はアウェーで山形に1―0で競り勝ち、3試合ぶりの白星を挙げた。後半10分、FWアマドゥ・バカヨコ(29)が右足で決めて先制。
山形に集結した約600人の札幌サポーターが発する「We are Sapporo!」のチャントが、誇らしくスタジアムにこだました。今季2度目の完封勝利に、岩政大樹監督(43)は「これからチームが成長するために必要な勝ち方だった」と、かみ締めた。
一進一退の攻防。歓喜の瞬間が訪れたのは、後半10分だ。MF近藤が相手DFにチャージをかけると、その背後からバカヨコがボールをかっさらってゴールへ突進した。右足で放ったシュートは相手GKの顔面をかすめるようにしてゴールに突き刺さった。
「オレは左利きなんだけど、右でもどうにかなったよ。トモキ(近藤)とはいつも助け合っているしね」。今季3点目を決めたレフティーの耳には、クラブが新ストライカー獲得を模索していることも届いているが「いいプレッシャーだ」とライバルを歓迎する余裕を示した。
守備ではDF家泉の奮闘が光った。
岩政監督は今節をリーグ中盤戦の始まりととらえていた。ミハイロ・ペトロヴィッチ前監督(67)のサッカーを継承し、発展させるとして臨んだシーズンは開幕4連敗と苦しんだが「(チームづくりを終えた)中盤からは、エクスキューズ(言い訳)がない。ここからは勝ち切ることしかない」。1年でのJ1復帰へ「終盤戦で一気にまくれる状況まで持っていきたい」と前を見据えた。
その情熱は選手たちも共有している。8位から18位が勝ち点5差にひしめく大混戦。MF高嶺は次節のホーム・磐田戦(6日)へ向け「勝って逆転して上位に食い込んでいきたい」と意気込んだ。
(甲斐 毅彦)