◆明治安田J1リーグ▽第15節 東京V2―0横浜FC(6日・味の素スタジアム)

 東京Vの大卒ルーキーのFW熊取谷一星がチームの勝利を決定付けるプロ初得点を決めた。

 1―0で横浜FCの猛攻をチーム一丸で守って迎えた後半アディショナルタイム1分。

MF森田の縦パスをペナルティーエリアの右角付近で受けると、中へ持ち運んでから、利き足とは逆の左足でゴール左上にシュートを決めた。鮮やかなシュートを決め、ヒーローインタビューでは「素直にうれしい気持ちです。普段、練習からやっている形が出たのでよかった」と笑みを浮かべた。

 トラウマも吹き飛ばした。明大から加入1年目の今季は、第2節の鹿島戦(0●3)でプロ初先発も前半で交代となり、第4節のG大阪戦(0●1)では、後半39分から出場したが、直後に自身の目の前から上げられたクロスが相手の決勝点につながってしまった。

 その後はベンチ外が続き、この日はG大阪戦以来、11戦ぶりの出場。「自分自身の中でトラウマみたいなものがあったのは間違いないです。自分が入った直後に失点したので、またそうなるんじゃないかって思うこともある」と振り返ったが、後半21分からピッチに立つと「気持ちの所。守備もそうですけど、まずは気持ちを前面に出して、チームのために戦う所を求められていた」と、1トップの下のシャドーの位置に入り、前線からの守備でも奮闘。「(G大阪戦から)学んで、強気にエネルギーを出していくことが、ああいうことを繰り返さないことにつながると思って信じてやれた」。そして、最後の最後に最高の瞬間が待っていた。

 大学時代から、大切にしてきた言葉は、プロボクサー那須川天心の「関係ないっしょ、気持ちっしょ!」。

「結局、ピッチに立ったらやるしかないので。そこにネガティブな思いを持つことはあり得ないですし、もうやるなら、気持ちで押し切る。自分を信じて、思い切りやることが大事かな」と笑顔。自分自身にも打ち勝って手にした初ゴール。ここからさらに飛躍を遂げていく。

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