◆オークス追い切り(21日・美浦トレセン)

 第86回オークス(25日、東京)の追い切りが21日、東西トレセンで行われた。桜花賞馬のエンブロイダリーは美浦・坂路の3頭併せで、ルメールが「完璧」と絶賛するパフォーマンス。

動き1位のG評価を得た。

 2冠奪取へ向け、最高なデモンストレーションを披露した。エンブロイダリーは21日、美浦・坂路で実戦を想定した3頭併せを実施。内ベストセラー(3歳未勝利)、外サフランヒーロー(4歳2勝クラス)の真ん中でグイグイとハミを取ると、最後は馬なりのまま力強く抜け出しフィニッシュした。52秒2―12秒1とタイムも上々で、手綱を執ったルメールは「無理をしないで完璧な追い切りができました」と絶賛。「一生懸命すぎることなく自分で動いていたし、状態は良さそう」と満面の笑みを見せた。

 最終追い切りを坂路で行うのは森一厩舎の勝負パターン。エンブロイダリーもここまで6戦全て最後は坂路で仕上げている。抜群の動きにトレーナーも「ラストの反応が鈍ければ仕掛けてもらうよう指示していましたが、馬なりですし活気良く動けていました。桜花賞の時と同じ状態にもってこられたと思います」と満足げにうなずいた。

 ルメールがオーストラリア遠征中だったため、桜花賞はモレイラとのコンビで勝利。クイーンC以来、久々に感触を確かめた鞍上は「筋肉が大きいためパワフルなストライドで加速できるのが強み。

前走はスタートでつまずいたのでそこだけ気をつけなければならないが、弱点はありません」と改めて能力の高さを確信した様子だ。

 史上18頭目の牝馬クラシック2冠制覇へ向け、課題となる2400メートルの距離にも「スタミナは関係ない。3歳牝馬で一番強い馬に乗っていれば能力で勝てます」と不安を一蹴。現役最多のオークス4勝を誇る名手は「2冠を取りたい。大きなチャンスがあります」と確かな自信をのぞかせた。(角田 晨)

 ◆ルメールのオークス成績 【4203】で、4勝は現役最多。17年ソウルスターリング、18年アーモンドアイで連覇し、21年から昨年のチェルヴィニアまで〈2〉《1》〈2〉《1》着と4年連続連対中。今回勝てば、嶋田功に並ぶ歴代最多タイ。

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