◆大相撲 ▽夏場所11日目(21日、東京・両国国技館)
初の綱取りに挑む大関・大の里が、初日からの連勝を自己最多タイの「11」に伸ばした。2敗の小結・若隆景に肩越しの右上手一本でひやりとさせたが、若隆景を体ごと寄り倒し、過去2勝2敗の巧者をねじ伏せた。
強さとうまさで白星をもぎ取った。大の里は得意の右を差せず、若隆景にもろ差しを許した。苦しい体勢で肩越しの右上手を握ると左で相手の顔を動かして体勢を修正。相手の投げに対して幕内最重量191キロの体ごと寄り倒した。大の里は「危なかったけど流れでいった」。土俵下の九重審判長(元大関・千代大海)は「一つの動作が勝ちを呼び込んだ。若隆景があの形で負けるのは想像できない。一つ一つの技術が高い」と手放しでほめた。
2敗はただ1人、豊昇龍。
夏場所の館内も大の里の綱取りで連日にぎわう。中でも「大の里弁当」は人気だ。両国国技館開催の初、夏、秋場所では大関以上になるとしこ名を冠した弁当が発売される。新大関だった昨年九州場所は大いちょうを結えなかったため、初場所の弁当の表紙はちょんまげ頭。今場所から「大いちょう」に変わった。来場所までに昇進すれば秋場所では綱を締めた表紙に変わる見込み。関係者も「こんなに早く表紙が変わるのは異例」と目を丸くしている。
2012年秋場所の日馬富士以来となる全勝での横綱昇進へ妥協はしない。師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は「出来れば(若隆景戦のような)ああいう相撲は取ってほしくない。