◆大相撲 ▽夏場所11日目(21日、東京・両国国技館)
初の綱取りに挑む大関・大の里が、初日からの連勝を自己最多タイの「11」に伸ばした。2敗の小結・若隆景に肩越しの右上手一本でひやりとさせたが、若隆景を体ごと寄り倒し、過去2勝2敗の巧者をねじ伏せた。
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大きな動きの中で小さな技が光った。立ち合いは若隆景だった。左からのおっつけで懐に入られた。右差し狙いの大の里には苦しい展開だが、深めの上手で活路を見出した。そして動きの中で左胸にあった若隆景の顔を左手で右胸に移動させた。若隆景は重心が崩れてバランスを失った。大の里の右上手も一層、生きる動き。最後は半身になりながら体を預けて寄り倒した。
小さな力士は大きな相撲に弱いと言われている。
11連勝の大の里に運も付いている。落ち着いているし、研ぎ澄まされた集中力と立ち合いからの早い攻めは見事。素晴らしい。もう誰も止められないだろう。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)