◆第86回オークス・G1(5月25日、東京・芝2400メートル)
牝馬クラシック第2弾、第86回オークス・G1(25日、東京)の枠順が22日、決定した。クラシック2冠を目指すエンブロイダリーは馬番別成績で、最多の11勝を挙げてきた9番枠になった。
絶好枠を得て、牝馬2冠への期待は大きく高まった。桜花賞馬エンブロイダリーが引き当てたのは5枠9番。同枠から06年にカワカミプリンセスが無敗で制し、14年ヌーヴォレコルトや21年ユーバーレーベンもV。オークス史上歴代最多11勝を挙げる馬番に決まった。森一調教師は「極端な内、外は嫌だったのでちょうどいいところだと思います。ジョッキーと相談して作戦は考えたい」と気を引き締め直した。
未知なる馬場が最大の敵になる。稍重の桜花賞で1冠を手にしたが、府中の芝の状態は1週ごとに目まぐるしく変化を続ける。2週前に行われたNHKマイルCはインを突いたマジックサンズが頭差2着と気を吐いたが、良発表ながらも緩めの馬場で行われた先週のヴィクトリアマイルは外から差し込んだ組のワンツー決着。週末の天気予報は傘マークが並ぶだけに、進路選択が大きなカギを握りそうだ。森一師は「私が雨男なので…」と笑いを誘いつつ、「多少の雨は大丈夫だと思います」と前を向いた。
追い切り後の反動は全くない。21日には美浦・Wコースでルメールを背に抜群のデモンストレーションを消化。2月のクイーンC以来の手綱を執った鞍上を「完璧な追い切り」とうならせる“2冠仕様”の動きを披露した。翌22日は厩舎周りの引き運動で調整。トレーナーは「追い切り後も変わらず落ち着いているし、いい雰囲気」と気配の良さを伝えた。万全の態勢は整いつつある。(石行 佑介)